昨日の厚労・総務合同会議で明らかになった事実に驚きました。
5,000万件もの持ち主不明の年金記録。政府は3月末までにはその名寄せを終えると公約し、補正予算で201億円、平成20年度予算案では約300億円もの経費を計上し、年金記録問題の解決を図るとして、まずは、記録が浮いている可能性のある年金受給者に対し「ねんきん特別便」を発送しています。
この「ねんきん特別便」は2月6日までに、本人のものと思われる浮いた記録がある可能性の高い方々約128万人に発送されたものの、その内、「訂正がある」と回答した人はわずか13万人でしかありません。ほとんどの方々が「訂正あり」と回答すると見込んでいた社保庁は、今後、「訂正なし」と回答した方々に電話や訪問による入念な照会を実施するとしています(とはいえ、誰がどうやって照会を行うのか。予算はどうするのかは未定だと言います)。
さらに、ねんきん特別便を受け取った方で自身の年金記録に「訂正がある」と答えた13万人の記録はいつ正しく直してもらえるのか、と社保庁に聞きました。
「(宙に浮いた記録が)その方のものと特定する作業に大体半年かかります」
「記録が訂正されて、これまで受け取れていなかった年金を口座に振り込むのに最長で2ヶ月かかります」
今「訂正」を求めた人が、自身の記録が訂正されるのは8月頃で、未払いの年金が入金されるのが早くても10月頃だと言うのです。つまり、これまでに「ねんきん特別便」で、自身の記録が訂正され未払い分を受け取った人は「0人」だということが明らかになりました。
今からでも、宙に浮いているが、その方のものと思われる記録をねんきん特別便に同封すべきではないか。社会保険事務所に相談に来られた方のものと思われる記録情報は、全てお示しすべきではないか。電話相談でも記録情報を工夫してお知らせすべきではないか。
これまで、政府に取り入れていただけなかった私たちの提案ですが、今すぐ導入していただき、もっと迅速な解決方法を取り入れるべきだと合同会議でも主張をしましたが、社会保険庁は首を縦に振ることはありませんでした。