国がするべきこと

衰弱した4才の娘を病院に連れていかず放置し、死亡させたとして保護責任者遺棄致死容疑で26才の母親が逮捕されました。報道によれば、母親は娘の身体のアザから虐待が疑われるため、病院に連れて行かなかったと供述していると伝えられます。また、京都府警の調べでは、母親は女の子の体重が10キロになるまで痩せ、歩けなくなるまで衰弱していたにもかかわらず、病院に行かず放置したとあります。容疑者の家は内縁の夫と亡くなった女児と兄弟3人の6人家族だと報道されていますが、夫は何故妻の行為を許したのでしょうか。他の兄弟は無事なんでしょうか。何故、誰も救いの手を差し伸べられなかったのでしょうか。女の子はどんな思いだったのでしょうか。本当に痛くて、辛くて、悲しいニュースです。
国会では昨年、児童虐待防止法の改正が行われるなど、与野党を問わず、この国から虐待で亡くなる子どもをなくしたいとの思いで仲間と共に活動をしていますが、法律では守りきれない命があることをニュースで知る度に力のなさを本当に悔やみます。

平成18年度に全国の児童相談所で対応した児童虐待に関する相談件数は37,323件で、平成12年度の倍となっています。上記のように相談されずに事件となって発覚する虐待もあることを考えると、この数は氷山の一角だと専門家は見ています。
厚生労働省が行った虐待で死亡した事例等の検証結果では、亡くなった4割が0歳児で、3歳児未満ではネグレクトという育児放棄が原因だった事例が4分の1。虐待を行っていた親などと地域社会との接触が乏しかった事例は7割などの報告があり、孤独な育児が家庭内での弱い者への暴力や育児放棄につながっていく傾向が見て取れます。
早期発見、保護、支援のありかた、家族の再統合など児童虐待へ対応するためには多くの大人の力が必要であり、中でも児童福祉司と呼ばれる専門家の力は欠かせませんが、全国にある191カ所の児童相談所で働く児童福祉司は2,147人で絶対的に足りていないこと、また、命の危険から子どもを保護しようにも子どもを預かる施設が一杯で預かることができないこともあるというのが現状です。
厚労省もこうした問題に対応しようと努力を行っていて、児童虐待を防止するための予算を毎年増やしてきていますが、平成20年度予算は約800億円で、全国の児童相談所や一時保護施設の増改築や、児童福祉司を増員することなど、今緊急的に必要と思える施策を行うには足りない額です。

政府・与党は、道路特定財源の精査をすることなしに今後10年間で59兆円もの巨費を投じる法案を13日に、昨日のように衆議院で再議決する方針だといいます。

虐待で衰弱しても病院に連れて行ってもらえずに亡くなる女の子がいます。児童虐待は増えています。子どもの命を守るための予算は、財政難を理由になかなか増額してもらえません。どうして、道路だけが例外で、無駄遣いが改められることなく特定財源が守られるのでしょうか。
あまりにもひどいお金の使われ方を正し、子どものために国がするべきことを行いたいと、改めて思います。