『 628人 』
大阪府内17市町で国民健康保険料を滞納し、保険給付を差し止められている子どもの数です。628人もの中学生以下の子どもが、保護者が経済的事情等から医療保険料を払えずに滞納したことによって、保険証をもらえずに仮に病院にかかった場合は全額自己負担となることが、大阪の民間団体の調査で明らかになりました。
国民健康保険法では、保険料を1年間滞納すると医療保険証の代わりに「資格証明書」が交付され、医療機関での治療費はいったん全額自己負担となり、領収書を持って役所に届出をすることで7割分の治療費の返還を受けることになります。ただし、実際には滞納額と保険料返還分が相殺されることが多いことや、保険料を滞納する経済的な問題がある世帯が全額自己負担で医療機関にかかることが難しいなど、資格証明書を交付された世帯の方々が医療を事実上受けられない状態に置かれています。厚生労働省に言わせると、国保料の減免措置や、「特別の事情」があると自治体が判断すれば対象外になること、短期保険証の発効や、分割納付制度があるので制度に問題はないとの立場ですが、乳幼児医療の充実は母子保健法でも定められ、国と地方自治体は子どもの育成責任を負うと児童福祉法にも定められています。しかも、子どもの福祉を守る厚生労働省の担当者に話を聞くと、「保護者が育児の責任を果たせない時に国や地方自治体が保護者の責任を全うできるように援助、保護にあたっています」と言います。つまり、保護者が窓口に相談に来ないのは保護者の責任であって、公の責任ではない、と。
今日、党の厚生労働部門会議でこの調査に携わった方に具体的な事例も含め話を聞きました。小さいお子さんを二人育てている母子家庭の母親が、限られた収入で水道料金か医療保険料納付かを考え、水を止められると生活が出来ないと判断し水道料金を納めた結果、2人の子どもが無保険状態になり、高熱で病院に行くと500円ほどですんでいた窓口負担が1万円になったと言います。
この話を、厚生労働省の担当者も私たちと一緒に聞いていましたが、制度の公平性を担保するために、この事例をもって乳幼児や義務教育以下のお子さんを資格証明書の対象外にすることは出来ない、と言いました。
制度の公平性を維持するためには、この主張はもっともですが、子どもの命がかかわる問題だけに、制度論ではなく政策面での対応策を考えるべきだと思います。そのためにも、経済的に保険料が払えず、子どもが病気になっても医療機関に行けなくなっている子どもが全国でどれだけいるのかを早急に調査する必要があると思い、厚労省に調査を依頼しましたが、「現時点で調査は考えていない」との返答でした。
お役所仕事、という言葉が何度も頭の中で繰り返された会議でした。
実態調査を行うまで何度でも調査要求を行い、党としての対応策を早急に検討すべきだと思っています。