野党4党共同提出の『後期高齢者医療制度廃止法案』は、一昨日の審議に引き続き、今日午前中に参考人の方々から意見を伺い、参考人への質疑を行い、午後に締めくくり総括質疑を行った上で採決が行われ賛成多数で可決されました。
非常に残念だったのは、今日の委員会冒頭で自民党・公明党の与党から岩本司厚生労働委員長の不信任決議動議が提出されたことです。不信任決議の理由は、理事会、委員会の運営が公正中立ではないということでした。しかし、後期高齢者医療制度廃止法案に関しては理事懇談会を5回、理事会を4回開いて与野党の意見を丁寧に聞いていたこと、また、委員会運営においても与野党を問わずに公平な対応を行い、審議が円滑に進められてきたことを考えても、与党のこの提案は全く理解ができませんでした。私たちは、丁寧な法案審議はもちろんですが、会期末が来週6月15日と迫っていることやこの国会で提案されている他の法案審議などを考え、廃止法案審議が衆議院でも行われる日程までも考慮した上で審議を行ってきています。しかし、与党は動議を出し、法案審議を来週まで先送りすることでこの『後期高齢者医療制度廃止法案』を参議院に留め置き、衆議院での審議時間を確保させたくないと考えているようにも見えてしまいます。
与党提出の委員長不信任決議を求める動議は賛成討論と反対討論が行われ、委員会採決が行われた結果、「賛成少数」で否決されたのですが、自身らが出した動議が否決された途端、与党の委員が全員委員会を退席しました。
「与党による審議拒否」です。
現段階で衆議院から送付されている内閣提出法案や衆議院の厚生労働委員長提案の法案は複数あります。会期末まで残された日程は10日であり、法案審議ができる日程は限られています。与党は、野党の議員立法についての審議拒否はするが、政府提出の法案は審議・採決をしてもらおうというのでしょうか。
与党の厚生労働委員の方が、メディアのインタビューで私たちの委員会対応を「民主主義を否定するファシズムだ」と言われていました。平成12年の公選法改正法案審議の時も参考人質疑が行われましたが、その時、野党を説得することができずに野党委員欠席の中で参考人質疑を行ったのは自民党でした。こうした対応は公平中立なのかどうかわかりません。
後期高齢者医療制度廃止法案は明日の参議院本会議で可決され、衆議院に送付される見通しです。衆議院では、審議を拒否するのではなく、積極的に行っていただきたいと思うと同時に、ぜひ、成立させていただきたいと思っています。