医療体制

昨日、妊娠中に脳内出血を起こし救急車で搬送されたものの、都内7カ所の病院で受入を拒否された女性が亡くなりました。
今朝、党の厚生労働部門会議を開き、厚生労働省と消防庁の担当者から話を聞きました。「合併症もなく、特段問題もないと認識しています」と、生まれたお子さんは元気に育っているとの説明でしたが、我が子に会えずに他界されたお母さん、ご家族のお気持ちを思うと言葉を失います。2年前、奈良でも救急車で搬送されながら受入先の病院が見つからずに女性が死産をしています。どうして、あってはならない事故が繰り返されるのでしょうか。
今回の事故では、妊婦のかかりつけ医と、かかりつけ医から最初の連絡を受けた病院との間で、『妊婦が激しい頭痛を訴えているかどうか』についての認識が違っています。その後に転院可能かどうかの連絡を受けた複数の病院にも患者に激しい頭痛、すなわち脳内で何らかの問題が起きている可能性があるかどうかが伝わっているかを厚労省は把握していませんでしたが、救急医療なのか周産期医療なのかの正確な情報伝達がないと、受け入れ先の病院の対応に差が出ます。つまり、妊娠中の激しい頭痛で脳内出血が疑われるのであれば脳外科であり、妊婦の搬送であれば産婦人科医の担当となります。産婦人科医は不在でも脳外科医が対応できていれば、まず母体の安全を確保できた可能性が残ります。奈良の事故以降、厚労省は救急医療と周産期医療の連携を取るように各都道府県に通知していましたが、この連携が守られているとは思えません。
さらに、厚労省は救急患者を迅速かつ適切な医療機関に搬送するためのシステムを開発し、病院、救急車、消防とをネットワークでつないでいますが、今回、当初受け入れ可能との印が出ていた3つの病院に転送を試みたものの、そのどれもが受入を拒否していることから、検索機能、ネットワークがほぼ機能していなかったことが明らかになっています。システムが機能していれば命が救われたかもしれません。
そして、絶対的な産婦人科医不足も明らかになりました。最終的に妊婦を受け入れた病院では東京都からERとして妊婦や胎児の緊急治療に対応するセンターに指定されていましたが、産婦人科医の常勤が定員を割り、週末には1人しか対応できる体制ではなかったと伝えられます。

小泉元総理の時代に訴えられた聖域なき構造改革では、医療も例外ではなく扱われました。医師を減らし、病院への補助を減らしてきました。その結果、医療体制の崩壊が全国で進んできています。
私たちは「命の値段は削れない」とする医療改革を訴え続けています。
医師不足解消に向けた小児科、産科医療。救急搬送・救急医療の連携強化。医療従事者の職能拡大と定員増などを、政権を担当した直後から本当に必要な改革を進め、4年かけて法整備と新たな医療体制のための公金の投入をしたいと考えています。
今回、搬送拒否をされた病院名が大きく報道されていますが、私は病院が積極的に受入を拒否したとは思えません。医師と病床数さえ足りていれば、医療関係者は命を救うための最善の努力をしたと思っています。
何が欠けていたのか。何が原因なのか。再発防止策を講じるためには冷静に事実を分析し判断することが必要だと考えています。

前の記事

財源、経済効果は

次の記事

新銀行東京