「私は43才で結婚して、ちゃんと2人子どもがいる」
「最低限の義務を果たしたと思っている」
今日開かれた衆議院の予算委員会で、民主党の西村ちなみ代議士から少子化対策について聞かれた時の麻生総理の答弁です。思わず、画面に見入りました。麻生総理の言葉の選び方には、これまでも首を傾げる時があったのですが、子どもが『ちゃんといる』、『最低限の義務』と言われた真意が全くわかりません。
総務省が5月5日に発表した推計人口では、子どもの数は28年連続減少し、総人口に占める割合も13.4%と過去最低、35年連続で低下したことが明らかになりました。
私は、社会保障制度の持続可能性、労働生産性など複数の理由から少子化対策は国家が対応すべき喫緊の課題であり、子育て支援は重要な政策だと考えています。少子化となってきている理由は様々です。非婚化、晩婚化、晩産化といった現実。未だに解消されない待機児童の問題。景気が悪くなった今、女性が仕事か子どもかという選択肢を強いられる問題も再燃しています。また、教育費が家計にかかる負担も決して軽いものではありません。不妊治療をされているカップルへの支援、障がい児を育てている方への支援、ひとり親家庭への支援など、まだまだ政治が取り組むべき課題が山積をしています。
政府は今回の補正予算案で、3才から5才の子どもだけに一年間だけ36,000円を支給することを少子化対策だと説明していますが、今、政治に求められるのは一時的なバラまきではなく、子育ての負担感をそのお子さんの年齢、保護者の労働環境などにあわせてやわらげるきめ細やかな少子化対策だと考えます。
西村代議士の質問の最後で、麻生総理が問われてもいない中、言われました。
「産みたいと思っても産めない、ということを考え、義務という言い方は不適切だったと思います」
おそらく、政府関係者が不適切な発言だと指摘したのを受け、総理が訂正発言をしたのかと思われますが、表面的な訂正ではなく、少子化対策の政策そのものを見直し、訂正し、再提案すべきではないかと思っています。