本当に必要な事業か

今朝、前回の年金関連事業に続き、仲間の議員、構想日本の伊藤伸さんと厚木市の職員の小瀬村寿美子さんのお力を借り、少子化対策関連事業の事業仕分けを行いました。
子育て支援策を所管する内閣府、厚生労働省、文部科学省、農林水産省などの関係職員からヒアリングを行い、取り上げた事業が本当に必要か否か、また、必要であれば国が行うべきか地方、民間が行うべきか。費用対効果の側面も考慮に入れて仕分け作業を行ったのですが、いくつもの省庁にまたがった政策、また、各省庁単独で行っているがために同じような政策が存在するなど、整理合理化できる事業がいくつもあるのではないかと思っています。

例えば、文科省は家庭の教育力の向上に必要な経費として、3年間のモデル事業として「訪問型家庭教育相談体制充実事業」を行っています。担当職員の説明では、昨年度は約12億円、今年度は約4億円の予算を計上し、地域の子育て経験者や専門家が連携をとり、家庭や企業を訪問することで躾や生活習慣、社会的マナーを親御さんが子どもに身につけさせる支援を行っていると言いますが、すでに厚労省は、全ての生後4ヶ月前の乳児がいる家庭を戸別訪問し、育児の悩みなどの相談を行う事業を行っています。
「それは生後4ヶ月までです。私ども(文科省)は幼児期から中学期の子どもを持つ保護者を対象にしています」
ところが、厚労省はこの他にも、育児ストレスなどの悩みを抱えるなど支援が特に必要だとされる家庭の児童、養育者を対象に相談、指導、助言などの支援を行う事業を実施しています。
「すでに行われているこの事業の事例で、私ども(文科省)の特徴を表しているのは『学校に駐在して積極的に相談活動を行っている』ものなどがあります」
とはいえ、文科省は不登校やいじめなどの悩みや問題を抱える児童・生徒のために、学校にスクールカウンセラーという心理学の専門家を派遣する事業をすでに進めているのです。
「それは学校内の話でありまして、訪問型は家庭内で伺いますから…」
なかなか納得できるところはなかったのですが、各省庁にとってみると、自ら行っている事業を否定はできません。また、予算措置の問題もあることから他省庁と事業を統合することも出来ないため、似たような目的を持ち、同じような手段で行う事業を一本化することも難しいのが現状だと思います。だからこそ、政治が事業仕分けを行い、事業の在り方、予算の使い方を徹底的に見直し縦割り行政の弊害を除去すべきだとの考えを新たにしたところです。

ところで、参議院の予算委員会審議は3日目に入り、今日は参考人質疑が行われました。審議を進めれば進めるほど、15兆円もの補正予算の内容がいかに場当たり的なもので、費用対効果が図られていないものかということに気付かされます。本当に必要な緊急経済対策ならば私たちも反対はしません。ところが、どうしてこんな政策に予算がついているのかわからない事業は、税金を使って今すぐ行う必要はありません。
来週、質疑の機会をいただければと思い、今日も予算書を調査しているところです。

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