公益法人の埋蔵金

会計検査院が「各府省所管の公益法人に関する調査」結果を公表しました。
財務省や内閣府など各府省が所管する公益法人は6,661。その中で国費等が交付されているものが全体の3割にあたる2,018法人。平成19年度に国から交付された補助金等は2,233億円、国との契約で交付された額は3,531億円で、独立行政法人から交付された補助金等は855億円、契約額は1,643億円です。2,018法人の内部留保額は、19年度末において全体では2,432億円にものぼり、1法人あたりの平均の内部留保額は1億2,000万円であったことが判明すると同時に、この1法人あたりの額は国等からの支出を受けていない法人の約3倍になっていることも明らかになりました。
また、所管府省から補助金等や契約の支払いを受けている1,521法人の調査では、20年4月1日現在で1,163法人に9,900人が所管府省の退職者、つまり天下りが9,900人も在籍していることが判明。本当に必要とされた再就職なのでしょうか。更に、天下りのいる法人は天下りのいない法人に比べ1法人当たりの所管府省からの支出額が約7倍になっていることもわかりました。
さらに、国や独立行政法人からの補助金等で基金が145も設置されていて、基金が保有している額は合計で1兆872億円にものぼっています。この基金の中では事業実績率が30%未満のものが27あり、事業実績額の50倍以上の基金を積んでいるものもあります。国所管基金については平成18年の閣議決定において、基金事業の目標達成度の評価を行うこととされ、また、使用見込みの低い基金について国庫への返納などが検討されるとなっていましたが、110基金のうち、目標を設定した上で目標達成度の評価を実施したとしているものはわずか17基金でした。余裕基金の返納規定が設けられてさえいなかったものもあります。

国から補助金等を受けている法人の内部留保額が高く、天下りが多いほど補助金や契約による支払いを多く受けていること、事業で使い余らせた補助金等が基金として積まれている可能性が高いことが見えてきました。
今日は各府省からの来年度予算の概算要求が締め切りとなりました。必要な事業を行っていくことはもちろんですが、他方、こうした埋蔵金的なお金の使われ方の見直しも同時に行っていくべきものだと思っています。

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