蓮舫代表が24日、参院TPP特委で質疑に立った。
蓮舫代表は安倍総理に対し、総理が次期米大統領のトランプ氏と会ったことについて、「『ともに信頼を築いていくことができる、そう確信の持てる会談だった』と総理は発言している。何をもって信頼関係を持てると確信したのか」と聞き、さらに「日米間の信頼構築は重要だ。しかし、トランプ氏が誠意を示したから信頼できると総理は説明するが、トランプ氏はどのような形で誠意を示したのか」と追及した。
安倍総理は、「日米は、自由や民主主義、基本的人権、法の支配という普遍的な価値を持つ同盟関係」などと抽象的な答弁に終始した。
さらに蓮舫代表は、「トランプ氏との会談を急いだのは、TPPを安倍総理の経済戦略の要として推進してきたからだ。大統領選挙中にTPP脱退を公約に掲げたトランプ氏を翻意させようと急いで(ニューヨークのトランプ氏の元に)行ったのではないか。TPPについてトランプ氏から本音を聞くことができたのか」と聞いたが、「やり取りについては申し上げられない」と安倍総理は説明を拒んだ。
蓮舫代表は、「トランプ氏のTPP脱退の意思を確認しているのであれば、APECを米国抜きのほかの経済連携のありかたを話し合う重大な会議に、日本主導でできたのではないか」と指摘した。さらに「米国が脱退したらTPPは発効しない。なぜ国会で貴重な時間を使って、この審議を進めるのか。次の自由貿易、経済連携がどのようなものになるのかの議論を進めるべきだ」と迫った。
そして、「安倍総理は、米国もTPPを批准するかも知れないという希望的観測を持っているようだが、確信はないと言う。食の安全、不安でいっぱいの農家の皆さん、国民の多くの方が『(TPPは)まだ良くわからない』と感じている。もっとていねいに国民に届く説明をすべきだ。1月20日のトランプ氏の大統領就任を受けて、来年の通常国会で議論してもまだ時間はある。いったん立ち止まって、セカンド・オピニオンに動くのも1つのリーダーシップではないか」と指摘した。