蓮舫代表は26日、農地の上部に太陽光発電設備等を設置し、農業と発電事業を同時に行うソーラーシェアリングに積極的に取り組んでいる千葉県匝瑳市飯塚地区を視察した。視察には、千葉エコエネルギー株式会社代表取締役の馬上丈司氏、匝瑳ソーラーシェアリング合同会社代表の椿茂雄氏、城南信用金庫相談役の吉原毅氏など関係者が同行し、現地での説明・質疑応答を行った。
千葉エコエネルギーの設置したソーラーシェアリングは、1300平方メートルの大豆畑の上に可動式のソーラーパネルが50キロワット(約15世帯分の電気に相当)、設置費用1600万円で年間200万円の売電収入を得ている。その下の畑で作られる大豆からの収入は4万円で、ソーラーシェアリングがいかに農家の収入増につながるかが理解できる。また、市民エネルギーちばの設置したソーラーシェアリングは可動式と固定式のソーラーパネルが合わせて57キロワット設置されている。パイプが4メートル×5メートルの升目状に設置され、高さも2.8メートル以上と、トラクターを入れた作業も簡単にできるよう設計されている。
続いて、現在設置が進んでいるメガソーラーシェアリングの状況も視察した。設置費用は2億8千万円で、うち8千万円を出資で集め、2億円を融資でまかなっている。ソーラーシェアリングは、3年更新の規制がネックとなり、地元での融資が受けられず、ソーラーシェアリング融資に積極的な城南信用金庫が融資してくれることとなった。工事は地元の企業に発注しており、丁寧に設置作業が行われていた。この施設で年間4700万円の売電収入が得られる予定となっている。ソーラーシェアリングにより地元で雇用が生まれ、売電収入が得られ、地元でお金がまわることから、耕作放棄地の有効活用・農業の活性化が期待されている。
視察後、馬上代表取締役、椿代表、吉原相談役、地元関係者などと意見交換を行った。「千葉県はソーラーシェアリングの先進地で、全国のソーラーシェアリング設備の3分の1が千葉県にある。これを全国に広げるために、実験的にでも1区画だけでもやってみることが重要で、影響がないことがわかれば導入が進む。ゼロを1にしてみることが大切だ。1を10にするのは早い。技術の伝達は簡単」という指摘があった。また、「金融機関のハードルはまだ高く、ソーラーシェアリング事業はリスクの少ない事業であるにもかかわらず金融機関が横並び主義で新しい事業には融資したがらない傾向があり、事例を作ることが重要だ」との指摘もあった。さらに、「農業者がソーラーシェアリングを行う際には届出などで済むように規制緩和を進め、トラクターを買う感覚でソーラーシェアリングができるようにしてほしい」との要望や、「売電収入が多いので、下で行う農業がおざなりになりかねないとの懸念があるが、農地法に基づく事後チェックをしっかりして罰則も厳しくするなどの工夫をすればよい」との指摘があった。
関係者の指摘と要望を踏まえ、民進党としても今後農水省からヒアリングを行い、制度改正等に取り組むことになった。
蓮舫代表は視察後、記者団の取材に応じ、「農業は持続可能性があり、発展性があり、かつ電力を作ることができるので、電気の地産地消ができて原発の再稼働に頼らないで済むことを千葉の地域で実現していることは、私たちのエネルギー政策に大きな示唆を与えてくれたと思う。」と語った。
視察には蓮舫代表のほか、柿沢未途役員室長、長浜博行エネルギー環境調査会副会長、福山哲郎エネルギー環境調査会副会長、田嶋要エネルギー環境調査会事務局長、水戸将史エネルギー環境調査会事務局長次長、谷田川はじめ千葉第10区総支部長が参加した。