昨年のクリスマス、12月25日に臨時国会が閉会。麻生総理が臨時国会中に二度にわたって記者会見を行い、第一次補正に続き追加で行いたいとする経済対策を堂々と発表したものの、その政策を実際に実現するための第二次補正予算案が国会に提出されなかったことが大きく報道されていましたが、その前日に政府は『持続可能な社会保障構築とその安定財源に向けた中期プログラム』を閣議決定しました。麻生総理はこの閣議決定をもって、税制改正関連法案に消費税増税を明記するとの方針を明らかにしています。
閣議決定された中期プログラムには「今年度を含む3年以内の景気回復に向けた集中的な取組により経済状況を好転させることを前提に、消費税を含む税制抜本改革を2011年度より実施できるように、必要な法制上の措置をあらかじめ講じ、2010年代半ばまでに段階的に行って持続可能な財政構造を確立する」との記述があり、それはつまり、2011年から数年かけて消費税を上げていくと読み取れます。また、今後の歳出改革の在り方の原則として「税制抜本改革の実現のためには不断の行政改革の推進と無駄排除の徹底の継続を大前提とする」とあるものの、具体的な行革の在り方と無駄排除の行程には全く触れられていません。
「中期プログラム」にある2年後の消費税増税を、この通常国会に提出する税制関連法案に書き込むかどうかの自民党内の検討作業で、党内から異論が噴き出しているとの報道が目立ちます。景気が後退し、政府の行革方針が見えない中、二年後の消費税増税だけを決めることに対し異を唱える議員の気持ちは理解できますが、果たしてどういう形の法案を提出してこられるのかに注目しています。
ただ、消費税を上げるかどうかは時の総理の思いだけで決められるものではなく、総選挙で国民に聞くべきことではないかと思えます。