民進党は1日、2017年度NPO関連予算のヒアリングを党本部で開き、NPO関係者など約100人が参加した。このヒアリングは、新年度の政府予算のうちNPOに関連する予算(NPO等が事業主体となることができる予算を含む)について、各NPO・NGOをはじめとする関係団体を対象に、各府省庁の担当者が直接説明を行うもの。
昼食時には、超党派の休眠預金推進議員連盟の役員で役員室長の柿沢未途衆院議員の司会進で参加者と民進党議員との意見交換会を開催。昨年の臨時国会で成立した議員立法「民間公益活動を促進するための休眠預金活用法」の運用等を中心に質疑応答や意見交換を行った。同法は、金融機関で10年以上放置された口座のお金「休眠預金」を使って、民間団体の公益活動を支援する枠組みをつくるもの。これまで毎年数百億円程度のお金が金融機関の収入になっていたが、「子どもや若者の支援」「日常生活または社会生活を営む上での困難を有する者の支援」「社会的に困難な状況に直面している地域の支援」の3分野で公益活動を担う団体に助成や融資し活用する。1年半以内に施行されるが、運用開始までには2年程度かかる見通しだ。
意見交換会の冒頭、あいさつに立った蓮舫代表は、同法について「とても思い入れがあるもの」だと述べ、「民主党政権時に、この財源があればどれだけのことができるだろうか、官では届かず民間は当然手をつけないが、確実にサポートを必要としている人々がいて、少し手を差し伸べれば自立できる、共生社会が実現できると取り組んできた。残念ながら当時は野党・自民党の反対があったが、政権交代があり今は理解を示してもらい前に進めることができた」と、成立の意義を強調。「皆さんのご努力のたまもの」と、地域で精力的に活動する参加者らに感謝の意を示すとともに、積極的な意見交換を呼びかけた。
意見交換会ではまず、超党派の休眠預金推進議員連盟の実務担当者でありNPO議員連盟の事務局長の岸本周平衆院議員が、「休眠預金を社会の課題解決のために民間セクターに使ってもらおうと閣議決定したのは民主党政権だが、残念ながらその後政権を失い頓挫してしまった。なんとか民主党政権で出した芽を根付かせ花を咲かせたいと超党派で議員連盟をスタートさせ、4年はかかったがようやく成立した」「ポイントは、できるだけ有効に使うため、従来の補助金の対象にならなかったような方々にイノベイティブな形で新しい使い方をしてもらうものを中心に考えていくこと」などと説明。「こんなことができたと、社会的課題を解決する民間の公益活動として胸を張れる事例をたくさん出していきたいと思うので、どうかご協力いただきたい」と求めた。
続いて内閣府休眠預金等活用準備室の岡本参事官が同法の概要や基本理念、法律の構成等について説明。参加者からは、資金分配団体の要件や自治体の関与のあり方についての質問や、「短期的で分かりやすい活動に資金が流れやすいが長期的目標を持った活動も理解してほしい」「できるだけ早い活用をお願いしたい」といった要望、意見が出た。
こうした声に対し岸本衆院議員は、「運用の基準は(内閣府に設置する)審議会で決まるが、立法の趣旨として、従来やっていたものより新しくイノベーションを起こすものを中心に考えていく。そしてこのお金はあくまでも呼び水であり補完。このお金だけで事業するというものではない」とあらためて強調。閉会に当たって柿沢衆院議員は「制度を具体化、運用していく間にも皆さんとの緊密な意見交換が欠かせないと思う。今後ともご意見や要望を伺っていきたい」とあいさつした。
意見交換会にはその他、辻元清美、福島伸享両衆院議員が参加した。