蓮舫代表は23日、「FOR NEXT」キャンペーンの一環として岡山市北区の奉還町商店街に今月8日開校した教育施設「興譲館アカデミア岡山校SGSG」を視察。塾でも学校でもない教育を提供することで学力だけでなく生きる力を身に付けさせたいという同校の取り組みを評価、参加者の生き生きとした姿に目を細めた(写真上は、夢を書いたボードを掲げる学生、野村先生と記念撮影する蓮舫代表)。視察には、高井崇志、津村啓介、柚木道義各衆院議員も参加した。
同校は野村教育研究所(岡山市、野村泰介代表)と興譲館高校(井原市)通信制課程が共同で設立、独自のカリキュラムとして「起業体験」「メディアクリエーター」「社会課題解決」の3つのコースを設け、主に中高生を対象に社会で即戦力として活躍できる人材を育てる。塾でもない学校でもない新しい教育の形を提供する「SGSG」は、スクール・ゲノッセンシャフト・ソーシャル・グッドの略。ゲノッセンシャフトとは自発的かつ対等に集まる集団のこと。従来の学校と異なり、対等な関係性での学生と教師の協働活動によって社会貢献(ソーシャルグッド)する考え方。同校代表の野村泰介先生は16年間高校教員として学校と社会をつなぐことに力を注いできた。「先生と生徒という壁を越えて生徒自身が決めた目標をサポートし、親切で丁寧な対応で安心感のある関係を築いていきたい」と話す。
蓮舫代表は、通信制や単位制の高校に通う学生ら7人の参加者とともに「なぜ学力は必要か」をテーマにした授業に参加。例え話を用いながら「学力をつけることで希望する進路に進める確率を高めることができる」「自分が希望する将来の選択肢を増やすことができる」などと、興味深く分かりやすい野村先生の話に聞き入った。
その後の意見交換では、参加した生徒たちがそれぞれ学校の特色や将来の夢をアピール。魅力的な課外活動や、制服がなく自主性が重んじられているといった学校の特色、「学校の活動で月に1回訪れる瀬戸内の島で暮らしてみたい」「今ピザ窯をつくっているので完成したら近くの子どもたちなどと体験会を開きたい。将来的には(同校のある)商店街に出店もいいかも」などと夢を語る生徒の姿に蓮舫代表は、「きちんと自分の言葉で話せるのはえらいと思う。一般的に、自分の高校について先輩から聞いたことや地域で評価されている言葉では説明できても、自分の言葉で説明するのは難しい。それができるのは個性であって自信につながる」と感嘆、生徒たちの夢にも「いいねえ」「素敵だね」などとエールを送った。生徒からの「対人関係で一番大切だと思うことは」「全国回るなかで、一番印象に残っている生徒や、この学校は楽しそうと思ったところは」との質問には、「記憶に残るのは新しいことをやっているところ。チャレンジをする学生たちの新たな動きもあり、そういうのは応援したい」などと答えた。
蓮舫代表は視察後、「自己主張がきっちりできる子どもたちで、すごく新鮮でありうれしかった」とコメント。野村先生の「塾でも学校でもない場所を」という取り組みについては、「既存の学校に当てはまらない子どもたち、あるいは塾だけで学校を必要としていないのではないかと思われる子どもたち、ある意味これまで当たり前と思われていた教育環境ではない形が実は求められているという現場があることも承知している。その上で、野村先生の取り組みは学校も塾も両方肯定した上で、自分たちで選択して子どもたちに第3の道を示す、新しい教育環境だと思う。学ぶ価値があると思った」と称えた。