蓮舫代表は8日午後、東京都内で開かれた「民進党地方自治体議員フォーラム」の全国研修会であいさつに立ち、(1)組織運営(2)政策(3)東京都議選――等について発言。「民進党がもう1回政権を担う政策集団になるため、ともにがんばろう」と呼びかけた。
蓮舫代表は、「自治体議員の皆さんの思いを党本部で集約する、直接のパイプを強化したい。皆さんの声がほぼハードルなく党本部に届き、その声に対する考え方、答えを返せる組織を作りたいと佐々木隆博組織委員長、田島一成自治体議員局長にお願いしている」と述べ、地方組織の強化に向けて全国各地を精力的に回っている江田憲司代表代行を含めた3人に声を寄せてほしいと求めた。
党本部と地方組織との連携強化に向けては、代表就任後、「民進党地方自治体議員フォーラム」を党規約第30条に規定する「党所属の地方自治体議員による議員団」として位置づけ、地方自治体議員から党常任幹事を1人選出するよう規則を変更したことをあわせて報告。
昨年11月に次の世代のための政治課題を探る取り組みとしてスタートした「FOR NEXT」キャンペーンにも触れ、「誰よりも現場を歩き、知っている自治体議員の皆さま方から、『ここに来てくれ、ここを見てくれ、ここをもっと知ってくれ』、その上で『自分たちにはこれができるのではないか』という提案をしていただきたい」と呼びかけた。
政策については、昨年12月に取りまとめた「人への投資」を柱とする民進党の経済政策に関連し、「この国に生まれた子どもたちが親の経済環境や自分の育った環境にかかわらず、その可能性を開花させることができる環境を整えるのは政治の役割である」と強調。環境・エネルギー政策では、「東日本大震災を経験した私たちだからこそ前に進めたい。地域の活性化を自然エネルギ―でしっかりと回していく政策を動かしていく。原発によらない日本の未来予想図をつくりあげていきたいという思いで党のエネルギー環境調査会で原発ゼロ基本法案を作成する作業に入っている」と述べた。
今通常国会の重要広範議案である「共謀罪」法案については、「質疑を通じて過去3回廃案になった共謀罪とほぼ同じだということが明らかになってきている」「すでにわが国はさまざまなテロや組織犯罪に対して個別具体的な法律が整備されている。足りない部分の穴を埋めていくのが国民の命を守ることだと訴えていきたい」などと主張。民進党は水際対策として、ハイジャック防止のために「航空保安法案」を提出していることなどにも触れ、「憲法で保障された内心の自由を脅かすような、『1億総監視社会』になるような法案はわが国には必要ないことを皆さんと確認したい」と述べた。
今夏の東京都議会議員選挙については、2020年には3人に1人が65歳以上という人口減少、超高齢社会を迎えるなか、東京五輪後の東京をどう作っていくのかが重要だと指摘。「いま公認している仲間は十二分に知識と経験と能力がある。どうか応援をしてもらいたい。風や空気やブームに頼るのではなく、誰のために仕事をしなければいけないのか。民進党として堂々と旗を掲げたいと思っている仲間に力を寄せていただきたい」と訴えた。
また、「安倍総理が掲げた『地方創生』や『女性活躍』は決して間違ったスローガンではなかったが、問題なのはすべて中途半端で回転ドアのように1年間で途絶えていったこと。いま必要なのは、どうやったら地域で若い方たちが出て行かないビジネスを用意できるかということ。地域が活性化するためには何が必要なのか。地域で子どもを産み育てる環境をどう整えていくか」だと指摘。「私たちがこれまで積み上げてきた個別具体的な政策に、皆さんの考えや提案をまとめていき、『われわれ民進党はここにあるんだ』『10年後、20年後、次の世代に責任を持てる政策集団を一緒になって作り上げていきたい」「自治体議員の皆さんは宝であり未来だ。皆さんと一緒に、何が何でも民進党がもう1回政権を担う政策集団になるための努力をしていく。ともに頑張りましょう」と呼びかけた。
本文、画像は民進党HPより転載