2007年5月のつぶやき

2007年5月31日(木)
与党の姿勢
「審議は尽くされていない!」
衆議院の厚生労働委員会、私たちの主張を無視する形で先週金曜日に桜田委員長は「審議は尽くされた」として採決を強行、与党は強行可決を行いました。
強行採決された年金機構法案、この法案によって特殊法人になる社会保険庁がいかにずさんな管理を行っていたかが私たちの指摘、追求で明らかになり、私たちはこの問題(宙に浮いている5,000万件の年金記録)を解決することを先に行うべきとして「審議は尽くされていない」と主張したにもかかわらず、
与党は強行採決を行ってきました。
ところが、そのわずか5日後には、前日に出されその日の朝に衆議院に付託をされた与党による議員立法が、わずか4時間の審議で再び採決が強行されました。この議員立法の内容は、私たちが指摘していた問題の一部を解決しようという内容で、本来であれば先に採決された法案と一緒に審議を行うべき内容です。しかも、委員会の審議の内容を聞いていると、本来答弁に立って説明しなければならない議員立法提出者は説明する言葉を持たずに、「政府与党は一体ですから大臣が答弁します」と責任感の欠如も甚だしい答弁を繰り返し、法案提出者でない柳沢大臣が滔々と法案内容の答弁を行います。議員立法という形をとっているとはいえ、法案内容は厚生労働省が作成したということがよくわかる答弁です。厚労省が作った法案を議員立法という形にしたのは、先に内閣が提出した年金機構法案で足らざるところを補う法律案を内閣、与党が再度提出することは自らの瑕疵を認める事になるからです。
尽くされていない審議を打ち切った判断の間違いや、与党の主張に添った議事進行を行った桜田委員長の解任決議案、野党が要求していた資料を一切提出もせず、与党に都合のいい法案審議において説明を行うなど、この年金問題を積極的に解決する姿勢を見せなかった柳沢厚労大臣の解任決議案が、今、衆議院本会議で採決をされています。「数の力で否決をされるにもかかわらず時間の無駄で迷惑だ」と言う与党議員がいますが、時間の無駄と受け止めるその感覚がおかしいと私は思います。国会には国民の代表たる議員がおり、それぞれの立場で提案や主張を展開し、審議を通じ、国民にとってより良い法案を作っていくことが責務だと思います。
残念ながら、この5日間の与党の姿勢は、国民生活に直結する年金問題を扱っているにもかかわらず、与党のみが正しく、野党は間違っているという姿勢にしか見えません。私はその姿は驕りだと思います。
2007年5月30日(水)
「救済法案」
誰のものかわからない宙に浮いた年金記録が5,000万件あり、私たちの国会での指摘があって以降大きな問題になりました。安倍総理、柳沢厚労大臣が一貫して言い続けてきたのは、年金は「申請主義」であり、受給者が自ら名乗りを上げ自身が年金保険料を納めていたとする証拠を出してもらってから社会保険庁が調べるので、政府が責任を持って5,000万件を調査することは「ない」ということでした。
私たちは全くの逆の立場です。国が保障する年金制度において、納めたはずの記録がなくなっているなんてことはあってはならないのです。だからこそ社会保険庁、国の責任において全件調査をして、迷子になっている記録を照合し、貰い損ねているかた、貰えるのに年金を受け取れないで困っていた方々に誠意を持ってお渡しすべきであるとして、「消えた年金記録被害者救済法案」を提出していますが、政府は全く検討にも値しないとの立場だったはずです。
ところが、週末に支持率が急落した途端に、安倍総理の指示で自民.公明両党から「年金時効撤廃特例法案」なるものが提出されました。政府のこれまでの説明では、社会保険庁のミスで年金を受け取る額が少ないとしても、国が保障するのは過去5年間の不足分だけでそれ以前の額は時効が成立し、国は不足分を払わなくてもいいことになっています。つまり、保険料を納めていたにもかかわらず、しかも、社会保険庁のミスで給付を受け取れないことになっていても、受給者はもらえないことが認められているのです。私たちは、今回の行方不明になっている年金記録においては、時効の要件を満たしているとは言えず、法の運用を厳格に行うことで社会保険庁に瑕疵があれば貰い損ねている年金を全て弁済してもらえることが可能と主張しています。法改正なくして救済が可能であるものをあえて与党が議員立法で法案を提出することは、支持率を意識した、国民向けの姿勢であると言わざるを得ません。しかも、一度委員会で成立した政府提出の年金機構法案では不十分だとして、その足らざる部分を議員立法で是正をしようとすることは、自ら政府提出法案に問題があったと認めています。さらに言えば、今回の与党議員立法の内容では、一体いつまでに、どうやって、何を持って記録が自分のものだと、誰が認めるのかが不明です。これでは実際に悩んでおられる方々の救済策にはつながりません。
にもかかわらず「救済法案」だと与党が胸を張る法案は、昨夕に衆議院に提出をされました。そして、今日の厚生労働委員会においてたった4時間の審議を行っただけで強行採決をすると言われています。多くの方々が関心をもたれている年金問題だけに政府案、民主党案をきちんと見比べ、審議を尽くして、社会保険庁のミスで被害者となった方のためにも最大限救済措置が可能な法案を成立させるべきと考えます。
法案は政府の支持率を上げるためのものでも、政局の道具でもないことを強く指摘します。
2007年5月29日(火)
政治と金
まずは、松岡利勝農林水産大臣のご冥福を心からお祈りします。
昨日からすでにメディア等で大きく報道されていること、現職閣僚の自殺は現行憲法下では初めてだということ、国会や報道で指摘されてきたように「政治と金」の問題があったということなどから、松岡大臣が何故自ら命を絶ったのかに関心が寄せられています。
松岡大臣が言えないこととは何だったのでしょうか。政治家として説明できない事情とは何があったのでしょうか。
「政治と金」の透明性をより高めるために、私たちは政治資金規正法改正案を提出してきました。与党からの議員立法は今日にでも提出されると聞いていました。両案を比べ、議論を重ね、そして、松岡大臣のみならず我が党所属で疑惑がもたれた議員のようなことが起きないようにするにはどうしたらいいのか、を審議する予定でした。松岡大臣の自殺によって、この議論を棚上げしていいというものではありません。むしろ、より積極的に法案審議をテレビ中継等を通じ公開して行うべきだと思います。
同時に、全くのずさんな社会保険庁の管理によって、宙に浮いてしまっている5,000万件の年金記録を整理し、ご迷惑をおかけしてしまっている方々に早急に弁済することも政治に求められています。
国会の会期末まで1ヶ月をきりました。参議院議員選挙があるために会期延長ができませんが、時間がないからと言って拙速な審議で、与党の数の力で全ての法案を通してしまうことがあってはならないと考えます。
2007年5月25日(金)
強行採決
消えた年金記録、社会保険庁のずさんな管理で誰のものかわからなくなっている年金記録5,000万件。この実態を私たちが国会審議を通じて明らかにし、国民の間に大きな怒りと反響をよんだことが影響したと思います。5,000万件の記録は調査しない、との姿勢を貫いてきた安倍総理は今日になって姿勢を一転させ「整理する」と答弁を変えました。そこで、長妻代議士が委員会で聞きました。
「いつまでに整理されるのですか」
安倍総理が言われるには、膨大な事務量なのでいつまでとは言えない、私たちを信頼してほしい、と。
今、自分の年金が減額されているのではとの不安、あるいは年金をもらえるはずなのに給付されていない方々の不安に迅速に応えるためには、ある程度の期日の目処を示して調査を全力で行うことが求められていますが、総理は期日はわからないので言えない、と言われるのです。
保険料が豪華なゴルフ練習場や保養所に使われていたことは記憶に新しいですが、これまで社会保険庁の行ってきたことでは国民の信頼を損なうことでした。その社会保険庁が自分たちのおかしたミスを直し救済策を講じるから信頼してほしい、と言われてもにわかには信用できません。
衆議院の厚生労働委員会で与党は数の力で社会保険庁を特殊法人に変える法案を強行採決しました。特殊法人にすれば徴収率もあがり、信頼回復をはかれるという実におそまつな発想としかいいようのない法案ですが、問題は、解決されていない5,000万件の消えた年金記録が引き継がれること、そして、その失態をおかしてきた職員も雇われ続けることです。さらに、政府与党は社会保険庁が民営化されると言いますが、形は民営化でも職員の給与は税金で払われるのです。アルバイト料や庁舎費などには保険料を流用します。民営化なので役人の天下り規制対象外になります。
一体、何を持ってこの法案で社会保険庁を民営化したから信頼してくださいと言うのでしょうか。
強行採決を行った自民党、公明党議員には、ご高齢者の痛みがわからないとしか言いようがありません。
2007年5月23日(水)
消えた年金記録
政府が提出している教育関連3法案の中の「学校教育法」改正案では、子ども達が達成する教育の目標に「国を愛する態度」と並んで「規範意識」が盛り込まれています。
安倍総理は美しい国づくりのために人づくりをしたい。全ての子どもに規範意識を身につけたい、としてこうした教育関連法案を出されているのでしょうが、果たして、安倍内閣に子ども達の模範を法律で身につけさせることがふさわしいのでしょうか。
「法律にのっとって適切に処理している」、との答弁を繰り返す松岡農水大臣。議員会館の光熱水費は税金で払っていただいているので議員の負担は0円です。法律にのっとって処理をすれば会館の高熱水費は0円になるところが、松岡大臣は5年間で約2800万円を計上しているのです。こうした大臣の行動に規範意識があるのでしょうか。
また、平成9年に統合されたはずの年金番号が、実は社会保険庁のミスで統合されていなかったことも明らかになりました。年金保険料を納めていただいた記録はあるものの、一体誰の年金記録かわからないものが5000万件あるのです。そのうち、実際に今年金をもらっている方で80才までの年金受給者が払った記録は1900万件。この1900万件だけでも迅速に調査をして、誰が払った記録かを整理すれば、今、年金をもらっている人で実はもっと貰える方、また、支給要件を満たしていないと言われていた方で実はちゃんと払っていて、年金を貰える方が確実に明らかになります。社会保険庁のミス、ずさんな管理で勝手に年金を減額されている方が存在することはあってはならないことです。
昨日、社会保険庁の規範意識を安倍総理に問わせていただきました。総理がまず、言われたのは「厚生労働委員会で話してください」でした。柳沢大臣が「調査はしない」と答弁をされているので、総理のご判断をお伺いしたにもかかわらず、これは総理の判断ではない、厚労大臣に聞けばよい、ということでしょうか。さらに、総理が言われたことは、社会保険庁に相談に来ていただければ調査をしますとのことでした。民間の保険会社の不払いが明らかになれば金融庁から処分を受け、社会的信頼を失いますが、国家が補償する年金はミスがあってもおとがめなしに、しかもミスを判断するのは社会保険庁ではなく受給者本人ということです。
総理の責任意識が薄いことに愕然としましたが、年金支給は5年で時効を迎え、もらえるべき保険料がもらえないことになります。実際に社保庁のずさんな管理で年金を満額貰えなかった方もいます。私たちはすぐさま調査を行い、持ち主のわからない記録を照合し、勝手に減額をされている方や本来貰えるはずの方々にはきちんと年金をお支払いするべきだと独自法案を提出しています。
この問題は引き続き追いかけていくことにしています。
2007年5月21日(月)
教育関連法案
今日から参議院で政府提出の教育関連3法案、そして民主党が提出している日本国教育基本法案、学校教育力の向上3法案の審議が始まることになりました。
今日の本会議では神本美恵子議員が質問をします。そして、明日行われる安倍総理が出席しNHKで中継される審議では、鈴木寛議員、西岡武夫議員と私が質問をする予定です。
日本の教育をどのように変えていけるのか。私たちは、塾に頼らなくてすむ学力が身に付くために公教育を再生したい、として地域立学校の提案をしています。学校で出来ることは学校の責任で行う、PTAの方々だけではなく地域の方々が積極的に学校運営に参加していただける学校協議会の提案もあわせて行っています。多くの大人が子どもの学びに参加をしてもらえることで、授業についていけなくなる子どもをなくしたい、そして、多くの大人が子ども達に接することでその人間関係に気を使い、いじめ問題を早期発見、早期対応出来るように変えたいと考えています。
政府案では教育委員会の責任、国の責任を法案に明記したとされていますが、実際に学校がどう変わるのかが残念ながら見えてきません。法文からはっきりと読めるのは、教育の目標として達成するものが「国を愛する態度」であり、「規範意識」であるということですが、どうやって態度が目標を達成したかを判断するのかもわかりません。こうした疑問を委員会質疑で明らかにしていきたいと思っています。
今国会の会期末まであと1ヶ月となりました。夏の参議院選挙の争点は「憲法改正」と、総理は言われますが、子ども達の育みにおける公教育改革も大切だと私は思います。どうぞ、今日から始まる参議院での教育改正法案審議にご興味を持っていただきたいとお願いします。
2007年5月16日(水)
赤ちゃんポスト
熊本市の赤ちゃんポストに3才と見られる男の子が預けられていたことがわかりました。
赤ちゃんポスト設置については育児放棄を助長する、安易に預ける親が出てくるなどとして、設置そのものに反対する意見も目立っていましたが、病院側の「一番の目的は赤ちゃんを預けることではなく、育児の悩みを相談してもらうこと」という主張や、1人では生きていくことができない命を確実に守るという観点から、ポストそのものは批判されるべきではなく、私は理解できると思っています。
設置直後の会見で安倍総理は「大変抵抗を感じる」との気持ちを話されていましたが、望まない妊娠や出産、出産後に想定外の事態が起きた場合、また、経済的理由などから育てることが出来ないなど、様々な理由で育児が出来ない環境にある親子を守ることは政治の責任だと考えます。妊娠してから10ヶ月、自分のお腹の中で育った小さな命を簡単に捨てる親ばかりではないとの前提に立って考えていただきたいとも思います。
今回、預けられた子どもは当初の想定である乳幼児ではなく3才の子どもでした。自分の名前も話せる。自分の思った事をつたないながらに話せる。親の記憶、家で一緒に過ごした記憶もはっきりしている。そんな3才の子どもが赤ちゃんポストに置き去りにされたこと、待っていても親が戻ってきてくれないことに気付いた時のその思いを想像するだけで胸が痛くなります。
このニュースを受けて各新聞社は社説や記事で、遺棄ではなく児童相談所に相談すべきではという内容を掲げていて、その主張はもっともだとも思うのですが、児童相談所が多くの保護者に安心して相談に行ける場所だと認識されているかどうか、というのも考えるべき問題ではないかと思います。児童相談所は子どもの非行や問題行動、また育児相談、虐待などの相談にのってもらえる場所で、子どもだけ、親だけ、親子でも相談してもらえる公的機関ですが、子どもを育てられないと思い悩んでいる保護者にとっては、この場所に相談に行くと、自身が責められるのではという誤解がまだあるようにも思えます。実際には児童相談所の職員は本当にご苦労をされながら親身になって相談にのっていただいています。こうした実態をさらに周知徹底することや、育児ノイローゼなどで家から出られず、公的機関に行くことさえ出来ない保護者のためにはどうやって家庭訪問をして相談にのっていくのかなどあらゆる知恵をしぼるべきだと思います。
赤ちゃんポストは使われないことが最も望まれます。そのために、こうした場所に頼らざるを得ない保護者をどうやって救っていくのかという具体的な対策を早急に講じるべきです。
2007年5月15日(火)
情報
永田町で仕事を始めてから不思議だなと思う事に、噂も含めて様々な情報が伝わる速度がとても早いということです。情報源は仲間内の噂であったり、本人から聞いた、というもの。また、各メディアの記者から伝えられるものなどなど。後になって本当だった話や、全く根拠のなかった話であることが判明するものですが、なかには「怪文書」という情報をそのまま記事にする週刊誌などもあるもので、政治家もこうした情報を冗談と受け流すばかりではないようです。
今朝から耳にする話題は、民放テレビ局のアナウンサーが夏の選挙に自民党公認候補で挑戦するというもの。仮にこの話が本当で、出馬が選挙区の場合には私たちの対立候補になるので対応策が必要になりますが、情報の真贋もわからないだけに、正式発表が出るまで確認はとれないことになります。にもかかわらず、仲間から「聞いた?」との電話が鳴ります。本当に情報が伝わる速度が早いと実感。
夏の選挙まで残すところ2ヶ月となりました。先輩議員に聞くと、三年前、私が挑戦した選挙時も同じように「誰それが出るらしい」、「あの人が出るって」という情報があちこちで噂されたようです。噂や情報に流されずに、しっかりとした政策を訴えることが出来る候補を応援していくことが、私に出来る唯一のことと再確認をした午前中でした。
2007年5月14日(月)
母の日
定期券くらいの大きさの紙に細かな絵がたくさん描かれています。
ほうきとちり取り、アイロンに、ぞうきん。フライパン、金魚の餌やドッグフードから玄関タイルを磨くたわしまで。
母親の行動を実によく見ているな、と感心させたのが、娘が昨日くれた『お手伝い券』です。「母の日」のプレゼントとして絵にあるお手伝いをするよ、有効期限はママの誕生日までだよ、と言ってくれました。もちろん、もったいなくて使えないと思えますが、その気持ちが本当に嬉しかったです。
笑ったのは、このカードを娘が私にくれた時の息子の反応。
「もちろん、ぼくも手伝うよ!」
便乗するのだけは上手です…。
ところで、先週金曜日に開かれた教育再生会議で、本来まとめる予定だった『親学』という提言が見送られました。
母乳で育てる、テレビを見せないといった内容が、一部メディアでスクープされ報道されたところ反論や批判が相次いだことが原因のようですが、見送られるのは当然のことだと思います。子どもを育てている誰しもにとって、政府に育児方針や精神論まで言われたくないということ、そして、安倍総理のために子育てしているわけではない、とも思います。
10人親がいれば10通りの育児の方法があるのです。
2007年5月9日(水)
消極的な改正案
佐田前大臣、松岡農水大臣らの事務所費問題を受けた与党の政治資金規正法改正案がようやくまとまったものの、中身は「改正」と呼ぶにふさわしいとは思えないものでした。
事務所費や光熱水費、交際費などの経常経費が不正に使われていないかを明らかにするために「領収書」の添付を義務付ける内容は、私たちの法案と同じではありますが、全く違う点が2点あります。
私たちは全ての政治団体で領収書の添付を義務付けていますが、与党案では領収書添付を義務付ける団体を資金管理団体に限っています。これでは、知られたくない、明らかにしたくないお金は他の政治団体で処理をすれば領収書を添付しないですむことになり、透明性を高める改革とは全く言い切れません。
次に私たちは1件1万円を超える支出には全て領収書添付を義務付けていますが、与党案では添付対象は5万円以上となっています。これでは実際に5万円以上かかった経費でも領収書添付の義務のない5万円未満の支出に振り分けて記載をすることが可能になり、透明性は確保されていないどころか、逃げ道が残されたものになっているとしか言いようがありません。
私たちの政党に所属する議員からも不透明な支出が指摘された方もいましたが、本人が会見を行い、間違った理由を説明して、資料を提出し、修正報告を行いました。その上で「政治と金」の問題で国民へ不信感をつのらせてはいけないとの姿勢で、独自の政治資金規正法改正案を提出していますが、まとめるまでに長く時間のかかった与党案は私たちの法案にはほど遠い消極的な内容になっていることが残念です。
「選挙が近いから」。こんな声も与党から漏れ伝わってきます。つまり、夏の参議院選挙において批判をされないがために、与党自らも政治と金の問題に取り組んだとの姿勢を見せるための法案だということです。
政策は選挙のために行うものではありません。
2007年5月31日(木)
与党の姿勢
「審議は尽くされていない!」 衆議院の厚生労働委員会、私たちの主張を無視する形で先週金曜日に桜田委員長は「審議は尽くされた」として採決を強行、与党は強行可決を行いました。 強行採決された年金機構法案、この法案によって特殊法人になる社会保険庁がいかにずさんな管理を行っていたかが私たちの指摘、追求で明らかになり、私たちはこの問題(宙に浮いている5,000万件の年金記録)を解決することを先に行うべきとして「審議は尽くされていない」と主張したにもかかわらず、与党は強行採決を行ってきました。 ところが、そのわずか5日後には、前日に出されその日の朝に衆議院に付託をされた与党による議員立法が、わずか4時間の審議で再び採決が強行されました。この議員立法の内容は、私たちが指摘していた問題の一部を解決しようという内容で、本来であれば先に採決された法案と一緒に審議を行うべき内容です。しかも、委員会の審議の内容を聞いていると、本来答弁に立って説明しなければならない議員立法提出者は説明する言葉を持たずに、「政府与党は一体ですから大臣が答弁します」と責任感の欠如も甚だしい答弁を繰り返し、法案提出者でない柳沢大臣が滔々と法案内容の答弁を行います。議員立法という形をとっているとはいえ、法案内容は厚生労働省が作成したということがよくわかる答弁です。厚労省が作った法案を議員立法という形にしたのは、先に内閣が提出した年金機構法案で足らざるところを補う法律案を内閣、与党が再度提出することは自らの瑕疵を認める事になるからです。 尽くされていない審議を打ち切った判断の間違いや、与党の主張に添った議事進行を行った桜田委員長の解任決議案、野党が要求していた資料を一切提出もせず、与党に都合のいい法案審議において説明を行うなど、この年金問題を積極的に解決する姿勢を見せなかった柳沢厚労大臣の解任決議案が、今、衆議院本会議で採決をされています。「数の力で否決をされるにもかかわらず時間の無駄で迷惑だ」と言う与党議員がいますが、時間の無駄と受け止めるその感覚がおかしいと私は思います。国会には国民の代表たる議員がおり、それぞれの立場で提案や主張を展開し、審議を通じ、国民にとってより良い法案を作っていくことが責務だと思います。 残念ながら、この5日間の与党の姿勢は、国民生活に直結する年金問題を扱っているにもかかわらず、与党のみが正しく、野党は間違っているという姿勢にしか見えません。私はその姿は驕りだと思います。

2007年5月30日(水)
「救済法案」
誰のものかわからない宙に浮いた年金記録が5,000万件あり、私たちの国会での指摘があって以降大きな問題になりました。安倍総理、柳沢厚労大臣が一貫して言い続けてきたのは、年金は「申請主義」であり、受給者が自ら名乗りを上げ自身が年金保険料を納めていたとする証拠を出してもらってから社会保険庁が調べるので、政府が責任を持って5,000万件を調査することは「ない」ということでした。 私たちは全くの逆の立場です。国が保障する年金制度において、納めたはずの記録がなくなっているなんてことはあってはならないのです。だからこそ社会保険庁、国の責任において全件調査をして、迷子になっている記録を照合し、貰い損ねているかた、貰えるのに年金を受け取れないで困っていた方々に誠意を持ってお渡しすべきであるとして、「消えた年金記録被害者救済法案」を提出していますが、政府は全く検討にも値しないとの立場だったはずです。 ところが、週末に支持率が急落した途端に、安倍総理の指示で自民.公明両党から「年金時効撤廃特例法案」なるものが提出されました。政府のこれまでの説明では、社会保険庁のミスで年金を受け取る額が少ないとしても、国が保障するのは過去5年間の不足分だけでそれ以前の額は時効が成立し、国は不足分を払わなくてもいいことになっています。つまり、保険料を納めていたにもかかわらず、しかも、社会保険庁のミスで給付を受け取れないことになっていても、受給者はもらえないことが認められているのです。私たちは、今回の行方不明になっている年金記録においては、時効の要件を満たしているとは言えず、法の運用を厳格に行うことで社会保険庁に瑕疵があれば貰い損ねている年金を全て弁済してもらえることが可能と主張しています。法改正なくして救済が可能であるものをあえて与党が議員立法で法案を提出することは、支持率を意識した、国民向けの姿勢であると言わざるを得ません。しかも、一度委員会で成立した政府提出の年金機構法案では不十分だとして、その足らざる部分を議員立法で是正をしようとすることは、自ら政府提出法案に問題があったと認めています。さらに言えば、今回の与党議員立法の内容では、一体いつまでに、どうやって、何を持って記録が自分のものだと、誰が認めるのかが不明です。これでは実際に悩んでおられる方々の救済策にはつながりません。 にもかかわらず「救済法案」だと与党が胸を張る法案は、昨夕に衆議院に提出をされました。そして、今日の厚生労働委員会においてたった4時間の審議を行っただけで強行採決をすると言われています。多くの方々が関心をもたれている年金問題だけに政府案、民主党案をきちんと見比べ、審議を尽くして、社会保険庁のミスで被害者となった方のためにも最大限救済措置が可能な法案を成立させるべきと考えます。 法案は政府の支持率を上げるためのものでも、政局の道具でもないことを強く指摘します。

2007年5月29日(火)
政治と金
まずは、松岡利勝農林水産大臣のご冥福を心からお祈りします。 昨日からすでにメディア等で大きく報道されていること、現職閣僚の自殺は現行憲法下では初めてだということ、国会や報道で指摘されてきたように「政治と金」の問題があったということなどから、松岡大臣が何故自ら命を絶ったのかに関心が寄せられています。 松岡大臣が言えないこととは何だったのでしょうか。政治家として説明できない事情とは何があったのでしょうか。 「政治と金」の透明性をより高めるために、私たちは政治資金規正法改正案を提出してきました。与党からの議員立法は今日にでも提出されると聞いていました。両案を比べ、議論を重ね、そして、松岡大臣のみならず我が党所属で疑惑がもたれた議員のようなことが起きないようにするにはどうしたらいいのか、を審議する予定でした。松岡大臣の自殺によって、この議論を棚上げしていいというものではありません。むしろ、より積極的に法案審議をテレビ中継等を通じ公開して行うべきだと思います。 同時に、全くのずさんな社会保険庁の管理によって、宙に浮いてしまっている5,000万件の年金記録を整理し、ご迷惑をおかけしてしまっている方々に早急に弁済することも政治に求められています。
国会の会期末まで1ヶ月をきりました。参議院議員選挙があるために会期延長ができませんが、時間がないからと言って拙速な審議で、与党の数の力で全ての法案を通してしまうことがあってはならないと考えます。

2007年5月25日(金)
強行採決
消えた年金記録、社会保険庁のずさんな管理で誰のものかわからなくなっている年金記録5,000万件。この実態を私たちが国会審議を通じて明らかにし、国民の間に大きな怒りと反響をよんだことが影響したと思います。5,000万件の記録は調査しない、との姿勢を貫いてきた安倍総理は今日になって姿勢を一転させ「整理する」と答弁を変えました。そこで、長妻代議士が委員会で聞きました。「いつまでに整理されるのですか」 安倍総理が言われるには、膨大な事務量なのでいつまでとは言えない、私たちを信頼してほしい、と。 今、自分の年金が減額されているのではとの不安、あるいは年金をもらえるはずなのに給付されていない方々の不安に迅速に応えるためには、ある程度の期日の目処を示して調査を全力で行うことが求められていますが、総理は期日はわからないので言えない、と言われるのです。 保険料が豪華なゴルフ練習場や保養所に使われていたことは記憶に新しいですが、これまで社会保険庁の行ってきたことでは国民の信頼を損なうことでした。その社会保険庁が自分たちのおかしたミスを直し救済策を講じるから信頼してほしい、と言われてもにわかには信用できません。 衆議院の厚生労働委員会で与党は数の力で社会保険庁を特殊法人に変える法案を強行採決しました。特殊法人にすれば徴収率もあがり、信頼回復をはかれるという実におそまつな発想としかいいようのない法案ですが、問題は、解決されていない5,000万件の消えた年金記録が引き継がれること、そして、その失態をおかしてきた職員も雇われ続けることです。さらに、政府与党は社会保険庁が民営化されると言いますが、形は民営化でも職員の給与は税金で払われるのです。アルバイト料や庁舎費などには保険料を流用します。民営化なので役人の天下り規制対象外になります。 一体、何を持ってこの法案で社会保険庁を民営化したから信頼してくださいと言うのでしょうか。 強行採決を行った自民党、公明党議員には、ご高齢者の痛みがわからないとしか言いようがありません。

2007年5月23日(水)
消えた年金記録
政府が提出している教育関連3法案の中の「学校教育法」改正案では、子ども達が達成する教育の目標に「国を愛する態度」と並んで「規範意識」が盛り込まれています。 安倍総理は美しい国づくりのために人づくりをしたい。全ての子どもに規範意識を身につけたい、としてこうした教育関連法案を出されているのでしょうが、果たして、安倍内閣に子ども達の模範を法律で身につけさせることがふさわしいのでしょうか。「法律にのっとって適切に処理している」、との答弁を繰り返す松岡農水大臣。議員会館の光熱水費は税金で払っていただいているので議員の負担は0円です。法律にのっとって処理をすれば会館の高熱水費は0円になるところが、松岡大臣は5年間で約2800万円を計上しているのです。こうした大臣の行動に規範意識があるのでしょうか。
また、平成9年に統合されたはずの年金番号が、実は社会保険庁のミスで統合されていなかったことも明らかになりました。年金保険料を納めていただいた記録はあるものの、一体誰の年金記録かわからないものが5000万件あるのです。そのうち、実際に今年金をもらっている方で80才までの年金受給者が払った記録は1900万件。この1900万件だけでも迅速に調査をして、誰が払った記録かを整理すれば、今、年金をもらっている人で実はもっと貰える方、また、支給要件を満たしていないと言われていた方で実はちゃんと払っていて、年金を貰える方が確実に明らかになります。社会保険庁のミス、ずさんな管理で勝手に年金を減額されている方が存在することはあってはならないことです。
昨日、社会保険庁の規範意識を安倍総理に問わせていただきました。総理がまず、言われたのは「厚生労働委員会で話してください」でした。柳沢大臣が「調査はしない」と答弁をされているので、総理のご判断をお伺いしたにもかかわらず、これは総理の判断ではない、厚労大臣に聞けばよい、ということでしょうか。さらに、総理が言われたことは、社会保険庁に相談に来ていただければ調査をしますとのことでした。民間の保険会社の不払いが明らかになれば金融庁から処分を受け、社会的信頼を失いますが、国家が補償する年金はミスがあってもおとがめなしに、しかもミスを判断するのは社会保険庁ではなく受給者本人ということです。 総理の責任意識が薄いことに愕然としましたが、年金支給は5年で時効を迎え、もらえるべき保険料がもらえないことになります。実際に社保庁のずさんな管理で年金を満額貰えなかった方もいます。私たちはすぐさま調査を行い、持ち主のわからない記録を照合し、勝手に減額をされている方や本来貰えるはずの方々にはきちんと年金をお支払いするべきだと独自法案を提出しています。 この問題は引き続き追いかけていくことにしています。

2007年5月21日(月)
教育関連法案
今日から参議院で政府提出の教育関連3法案、そして民主党が提出している日本国教育基本法案、学校教育力の向上3法案の審議が始まることになりました。 今日の本会議では神本美恵子議員が質問をします。そして、明日行われる安倍総理が出席しNHKで中継される審議では、鈴木寛議員、西岡武夫議員と私が質問をする予定です。 日本の教育をどのように変えていけるのか。私たちは、塾に頼らなくてすむ学力が身に付くために公教育を再生したい、として地域立学校の提案をしています。学校で出来ることは学校の責任で行う、PTAの方々だけではなく地域の方々が積極的に学校運営に参加していただける学校協議会の提案もあわせて行っています。多くの大人が子どもの学びに参加をしてもらえることで、授業についていけなくなる子どもをなくしたい、そして、多くの大人が子ども達に接することでその人間関係に気を使い、いじめ問題を早期発見、早期対応出来るように変えたいと考えています。 政府案では教育委員会の責任、国の責任を法案に明記したとされていますが、実際に学校がどう変わるのかが残念ながら見えてきません。法文からはっきりと読めるのは、教育の目標として達成するものが「国を愛する態度」であり、「規範意識」であるということですが、どうやって態度が目標を達成したかを判断するのかもわかりません。こうした疑問を委員会質疑で明らかにしていきたいと思っています。 今国会の会期末まであと1ヶ月となりました。夏の参議院選挙の争点は「憲法改正」と、総理は言われますが、子ども達の育みにおける公教育改革も大切だと私は思います。どうぞ、今日から始まる参議院での教育改正法案審議にご興味を持っていただきたいとお願いします。
2007年5月16日(水)
赤ちゃんポスト
熊本市の赤ちゃんポストに3才と見られる男の子が預けられていたことがわかりました。 赤ちゃんポスト設置については育児放棄を助長する、安易に預ける親が出てくるなどとして、設置そのものに反対する意見も目立っていましたが、病院側の「一番の目的は赤ちゃんを預けることではなく、育児の悩みを相談してもらうこと」という主張や、1人では生きていくことができない命を確実に守るという観点から、ポストそのものは批判されるべきではなく、私は理解できると思っています。 設置直後の会見で安倍総理は「大変抵抗を感じる」との気持ちを話されていましたが、望まない妊娠や出産、出産後に想定外の事態が起きた場合、また、経済的理由などから育てることが出来ないなど、様々な理由で育児が出来ない環境にある親子を守ることは政治の責任だと考えます。妊娠してから10ヶ月、自分のお腹の中で育った小さな命を簡単に捨てる親ばかりではないとの前提に立って考えていただきたいとも思います。 今回、預けられた子どもは当初の想定である乳幼児ではなく3才の子どもでした。自分の名前も話せる。自分の思った事をつたないながらに話せる。親の記憶、家で一緒に過ごした記憶もはっきりしている。そんな3才の子どもが赤ちゃんポストに置き去りにされたこと、待っていても親が戻ってきてくれないことに気付いた時のその思いを想像するだけで胸が痛くなります。 このニュースを受けて各新聞社は社説や記事で、遺棄ではなく児童相談所に相談すべきではという内容を掲げていて、その主張はもっともだとも思うのですが、児童相談所が多くの保護者に安心して相談に行ける場所だと認識されているかどうか、というのも考えるべき問題ではないかと思います。児童相談所は子どもの非行や問題行動、また育児相談、虐待などの相談にのってもらえる場所で、子どもだけ、親だけ、親子でも相談してもらえる公的機関ですが、子どもを育てられないと思い悩んでいる保護者にとっては、この場所に相談に行くと、自身が責められるのではという誤解がまだあるようにも思えます。実際には児童相談所の職員は本当にご苦労をされながら親身になって相談にのっていただいています。こうした実態をさらに周知徹底することや、育児ノイローゼなどで家から出られず、公的機関に行くことさえ出来ない保護者のためにはどうやって家庭訪問をして相談にのっていくのかなどあらゆる知恵をしぼるべきだと思います。 赤ちゃんポストは使われないことが最も望まれます。そのために、こうした場所に頼らざるを得ない保護者をどうやって救っていくのかという具体的な対策を早急に講じるべきです。

2007年5月15日(火)
情報
永田町で仕事を始めてから不思議だなと思う事に、噂も含めて様々な情報が伝わる速度がとても早いということです。情報源は仲間内の噂であったり、本人から聞いた、というもの。また、各メディアの記者から伝えられるものなどなど。後になって本当だった話や、全く根拠のなかった話であることが判明するものですが、なかには「怪文書」という情報をそのまま記事にする週刊誌などもあるもので、政治家もこうした情報を冗談と受け流すばかりではないようです。 今朝から耳にする話題は、民放テレビ局のアナウンサーが夏の選挙に自民党公認候補で挑戦するというもの。仮にこの話が本当で、出馬が選挙区の場合には私たちの対立候補になるので対応策が必要になりますが、情報の真贋もわからないだけに、正式発表が出るまで確認はとれないことになります。にもかかわらず、仲間から「聞いた?」との電話が鳴ります。本当に情報が伝わる速度が早いと実感。 夏の選挙まで残すところ2ヶ月となりました。先輩議員に聞くと、三年前、私が挑戦した選挙時も同じように「誰それが出るらしい」、「あの人が出るって」という情報があちこちで噂されたようです。噂や情報に流されずに、しっかりとした政策を訴えることが出来る候補を応援していくことが、私に出来る唯一のことと再確認をした午前中でした。

2007年5月14日(月)
母の日
定期券くらいの大きさの紙に細かな絵がたくさん描かれています。 ほうきとちり取り、アイロンに、ぞうきん。フライパン、金魚の餌やドッグフードから玄関タイルを磨くたわしまで。 母親の行動を実によく見ているな、と感心させたのが、娘が昨日くれた『お手伝い券』です。「母の日」のプレゼントとして絵にあるお手伝いをするよ、有効期限はママの誕生日までだよ、と言ってくれました。もちろん、もったいなくて使えないと思えますが、その気持ちが本当に嬉しかったです。 笑ったのは、このカードを娘が私にくれた時の息子の反応。「もちろん、ぼくも手伝うよ!」 便乗するのだけは上手です…。  ところで、先週金曜日に開かれた教育再生会議で、本来まとめる予定だった『親学』という提言が見送られました。 母乳で育てる、テレビを見せないといった内容が、一部メディアでスクープされ報道されたところ反論や批判が相次いだことが原因のようですが、見送られるのは当然のことだと思います。子どもを育てている誰しもにとって、政府に育児方針や精神論まで言われたくないということ、そして、安倍総理のために子育てしているわけではない、とも思います。 10人親がいれば10通りの育児の方法があるのです。

2007年5月9日(水)
消極的な改正案
佐田前大臣、松岡農水大臣らの事務所費問題を受けた与党の政治資金規正法改正案がようやくまとまったものの、中身は「改正」と呼ぶにふさわしいとは思えないものでした。 事務所費や光熱水費、交際費などの経常経費が不正に使われていないかを明らかにするために「領収書」の添付を義務付ける内容は、私たちの法案と同じではありますが、全く違う点が2点あります。 私たちは全ての政治団体で領収書の添付を義務付けていますが、与党案では領収書添付を義務付ける団体を資金管理団体に限っています。これでは、知られたくない、明らかにしたくないお金は他の政治団体で処理をすれば領収書を添付しないですむことになり、透明性を高める改革とは全く言い切れません。 次に私たちは1件1万円を超える支出には全て領収書添付を義務付けていますが、与党案では添付対象は5万円以上となっています。これでは実際に5万円以上かかった経費でも領収書添付の義務のない5万円未満の支出に振り分けて記載をすることが可能になり、透明性は確保されていないどころか、逃げ道が残されたものになっているとしか言いようがありません。 私たちの政党に所属する議員からも不透明な支出が指摘された方もいましたが、本人が会見を行い、間違った理由を説明して、資料を提出し、修正報告を行いました。その上で「政治と金」の問題で国民へ不信感をつのらせてはいけないとの姿勢で、独自の政治資金規正法改正案を提出していますが、まとめるまでに長く時間のかかった与党案は私たちの法案にはほど遠い消極的な内容になっていることが残念です。 「選挙が近いから」。こんな声も与党から漏れ伝わってきます。つまり、夏の参議院選挙において批判をされないがために、与党自らも政治と金の問題に取り組んだとの姿勢を見せるための法案だということです。 政策は選挙のために行うものではありません。

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