今朝開かれた党の厚生労働部門会議で、厚労省から平成19年度厚生労働省関連の補正予算案についてのヒアリングを行いました。
災害関係費163億円、春から施行される予定の後期高齢者医療制度が高齢者の反感を買うことから、選挙を見込んでこの制度を先送りする方針を政府が決めたことで新たに発生した経費1,719億円、年金記録問題への対応費125億円など補正予算総額は3,888億円を計上。そのうち、既定経費の中から1,455億円削減するとしていて、合計で2,433億円の補正予算が必要だとの説明を受けました。
問題は、5,000万件の宙に浮いた年金記録に関する経費のあり方です。今日一斉に報道されていましたが、政府は『ねんきん特別便』の効果が上がらないために再度手紙を送付する方針を示しました。これまで政府は、記録の持ち主を特定するために記録が抜けている可能性の極めて高い方に『ねんきん特別便』を送付し、記憶を思い出していただき、記録の訂正を行ってほしいと呼びかけてきました。しかし、この特別便が送られた方には本人のものではないかと思われ、かつ、本人の記録から抜け落ちている年金記録情報そのものは送付しないため、送られてきた方がよほど詳細に記憶を持っていない限り記録の訂正を行うことはとても難しいと私たちは指摘してきていました。結果、返信率が低いこと、実際に記録が抜けている可能性の高い方に送ったにもかかわらず、「訂正なし」との返信が多数寄せられていることなどから、政府がこれでは効果が上がらないと判断し再送する方針になったと思われますが、これでは二度手間で経費の無駄遣いだったと指摘せざるを得ません。
しかも、これまで社保庁は国民に新たな負担を生じさせることはせず、無駄遣いを削減して記録訂正の経費に充てる、としてきましたが、今朝の説明では「経費節減の努力を行っている」、「まだ進行中なので細目は出せない」、「具体的金額はまだ精査中」とのことです。つまり、どこからいくら削減したのかを示すことは出来ないとの回答で、いわば、中身はまかせて125億円の補正予算は賛成をしてほしいと言っているに等しいのです。
恥を知らない、とはこのことだと思いました。到底、納得できる説明ではありません。