予算を子どものために

ニュースを耳にして思考が止まりそうでした。
「高知県警南国署は3日、内縁の妻(31)の長男で小学5年生の長男(11)に暴行し、重傷を負わせたとして、容疑者(31)を傷害容疑で逮捕。その後、長男が死亡したため、容疑を傷害致死に切り替えて調べている」
長男は同居する容疑者に畳に投げつけられ、頭などに重傷を負ったことが死につながったとのこと。実は、この家で子どもの叫び声が聞こえるなどの通報を受け、去年2月、高知県の児童相談所が調査を行っていました。その際、「帰りたくない」と言った7才の次男は保護されたものの、長男は「家がいい」と話し保護されなかったと伝えられています。どんなに本人が「家がいい」と言ったとしても、強制的に保護すべき事態だったと思います。
児童虐待防止法では「何人も児童に対し虐待をしてはいけない」と虐待禁止を規定し、虐待の早期発見のために保育所や学校、病院などに勤務する者や近所の方まで幅広く「児童虐待を受けたと思われる児童を発見した者」に児童相談所への通告を行うよう義務付けています。こうした通告を受けた後は、児童福祉法によって、児童相談所長は児童の命に危険がある場合などにおいて児童を一時保護したり、保護者と隔離する措置を行う判断が出来るとなっています。
ところが現実は、法律が目指す方向に残念ながら進んでいません。
理由は複数考えられますが、児童相談所予算が絶対的に足りないこと、専門家である児童福祉司の数も絶対的に不足していること、児童を安全に守るべき一時保護所や児童福祉施設が一杯で、新たに子どもを受け入れられないことなどが挙げられます。保護する人が足りない、保護する場所がないことによって、本来通告を受けた段階ですぐさま保護すべき子どもを保護することが出来ずに、残念ながら、その子どもの命が虐待によって殺められる事件が後を絶ちません。
児童虐待をなくすために厚生労働省も積極的に取り組んでいて、その動きは高く評価できるのですが、小泉総理時代に作られた「骨太方針」を実行し、2011年にプライマリーバランスを正し財政健全化を行うために、厚生労働省の予算は毎年2200億円の削減をさせられています。削減を実現するために、これまで政府は財源を捻出するために介護、医療分野において、国庫負担を減らし国民負担を増やすなどの施策を取ってきています。こうした中で、児童虐待関連予算のみを飛躍的に増やすことはほぼ不可能というのが残念ながら現状です。
「子どもの安全を守る」、政府として何よりも優先すべきことが、予算がないから後回しになるということはあってはいけません。
昨日、社会保険庁の無駄遣いを予算委員会で指摘しました。無駄遣いは現実にあります。この無駄を正せば予算が出来ます。その予算を子どもの安全のために使いたい、と私たちは主張しています。