参地ネットin対馬

2004年の参議院議員選挙で当選した同期の議員のなかで、地方選挙区選出の15名の仲間で「参地ネット」というグループを作り、それぞれの選挙区を所属メンバーで訪れタウンミーティングや街頭演説などを行う、という相互応援、政治活動をしています。
これまでに訪れた県は、三重、岩手、兵庫、大分。この週末は、長崎県の対馬に8人の仲間で行きました。
天候不順のため福岡から対馬への飛行機が欠航となり、ジェットフォイルという船で2時間かけて島へ向かいました。飛行機が天候によって欠航するのは仕方がないにしても、空路で本州に向かう仕事の予定が立たないこと、また、海路を選んだとしても、ジェットフォイルは片道7,700円すること、さらに原油高騰による料金値上げの可能性もあるなど、島の方々の交通手段の厳しさをまずは実感することになりました。
夕方から行われた2時間にわたるシンポジウムには、450名のお客様が来てくださり、最後の30分は会場と私たちとの質疑応答がかなり激しく行われ、とても実のあるシンポジウムになったと思います。
島の基幹産業である漁業関係者からの質問や意見が最も多かったのですが、温暖化で海水温が上昇し、獲れる魚種が変わってきていることへの不安や、何よりも昨今の原油高で漁に出ることが出来ず、船はつながれたままである現実を見てほしいとの訴えには、政治が対応を考えるべき課題であることを痛感しました。島の漁獲量で最も多いのはイカですが、イカ釣り船を動かす重油と、イカ釣りには欠かせない灯りはガソリンで灯されるため、二重に負担が重いとの声。島の80%が森林という対馬では檜やしいたけ栽培が行われていますが、それでも漁業などと兼業しないと生活ができないという声。対馬は朝鮮半島まで49.5kmという立地であることや朝鮮通信使などの歴史的経緯もあり、島を訪れる韓国の観光客をターゲットとした観光業が盛んである一方、主に韓国からの漂着ゴミが環境に与える懸念や海苔などの海産物にこうした漂着ゴミが付着するなどの問題。少子化、高齢化、就職難から島を離れる若者の問題など、実に多くの切実な悩みを耳にしました。
五島列島、平戸諸島、壱岐など、長崎県には他にも島があります。
東京にも伊豆大島、小笠原、八丈島などの島があります。対馬で耳にした島民の皆様の思いからは、日本の全ての島に共通する問題が浮き彫りになったように思えます。
今から55年前の昭和28年に、「離島の自立的発展を促進するための特別法」、いわゆる「離島振興法」が施行されましたが、この法律は10年間の時限立法として制定されたもので、その後は改正、延長が繰り返し行われてきていて、2013年まで適用期限が延長されています。しかし、時限立法ではなく、恒久法として対応すべき時ではないかと思っています。

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