事故米

中国から輸入されメタミドホスが検出された、いわゆる「事故米」が混入されていた恐れがあるとして、メーカーが焼酎や和菓子の自主回収を始める一方、大阪府などの調べで事故米が特別養護老人ホームや病院、保育所などの給食として流通していたことが明らかになり、事故米被害が広がり続けています。
昨日、この問題を重くみて党の農林水産部門会議が急遽開かれ、農林水産省から経緯と今後の調査などについて聞き取りを行ったところですが、今の入管、検疫、検査体制からは、こうした事故米が流通してしまう危険性は回避できないということがわかり愕然としたところです。

三笠フーズには、メタミドホスが検出された中国産の米、アフラトキシンというカビ毒が検出されたベトナム産の米などが、政府買い上げ米と輸入商社から直接売却をされていましたが、本来、基準値を越える残留農薬やカビなどが検出された場合には、輸入した商社が輸出国に返却をするか、商社の責任で廃棄するか、非食用の工業用糊として販売するかを選ぶ事になっています。とはいえ、コストをかけて返却や売却をするよりは、例え本来の販売価格から引き下げられても売却する道を選ぶ方が、企業にとっては損が少なくすみます。実際に、政府が商社から買い上げた米を業者に販売する時、食用である加工米としての売却価格は1トンで9万円ですが、事故米で非食用として売却せざるをえない場合の価格は1トン6千円になります。1トンで8万4000円の損が計上されるとしても、自己負担でその米を廃棄したり、輸出国に再度輸送し返却するコストを考えると、いくら3つの選択肢があるとはいえおのずと事故米として処理される場合が多いと、容易に想像がつくのです。
この時点ですでに事故米が簡単に国内に流通することが可能になっている上に、実際に事故米が工業用の糊として販売され使用されていて、食用に転売されていないかどうかを農水省は検査をしていたのですが、その検査は対象業者に事前通告されるばかりか、事故米が粉砕されて粉になっていく工場での加工過程を職員が目視で確認はするのですが、その業者からどの業者に転売されたのか、また、転売量は正しいかといった事故米の流れを検査する体制にはなかったとの説明を聞きました。

三笠フーズが事故米を転売した流通経路が日々明らかになってきていますが、三笠フーズから仲介業者を経て販売業者へ、そして県を越えて新たな販売業者へ事故米が流れ、加工業者へ転売をされ、卸に流されているいくつもの経路の中で、ようやく菓子製造工場に流れたと思われる経路が2つ確認されたのですが、この経路の説明をした農水省の職員は言いました。
「この菓子製造がわかった、ようやくエンドユーザーにたどりつきました」
エンドユーザーとは商品を使う人との定義がされていますが、事故米の場合のエンドユーザーは業者ではなく、その米粉が加工された商品を食べた消費者です。今、問題になっているのはメダミドホスが混入された米から加工された食品を食べた場合、人体への被害はどうなるのかという不安だということを、農水省の担当者は全く理解していないことに衝撃を覚えました。
さらに言えば省庁の縦割りの弊害がここまで染み付いていることを再認識しました。食材の製造、流通販路までは農水省の所管で、その食材が商品となって食べられた場合は厚生労働省の所管となるため、事故米が加工され食品として小売店で販売され、消費者が口にしたのかどうかを調べるのは厚労省の管轄なので、農水省のエンドユーザーは加工業者工場だったのではないでしょうか。

今は、一体どこでどんな公務をされているのかわからない福田総理が力強く提案したのは『消費者庁構想』でした。担当大臣まで任命されています。
この農水省の対応が消費者重視の現れとはとても思えないのです。
事故米問題の全容解明、健康被害などをより調査するために、参議院の農林水産委員会を閉会中でも開くべきだと私たちは与党に要請をしています。
今のところ、前向きな返答は返ってきていないと聞いています。

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