その一言で救われるひとがいます 自殺防止対策の責任者になって

 ニュージーランドの大地震で、たくさんの方が亡くなったりケガをされました。お悔やみとお見舞いを申し上げます。

 そして、まだ不明の方々もたくさんいらっしゃいます。ご家族のご心労いかばかりかと拝察しつつ、私も希望を捨てていません。生存を信じて作業する地元のレスキュー隊、各国と日本の緊急援助隊のみなさまのご尽力をテレビやネットを通じて拝見する度に、胸を締めつけられる思いがします。

 1995年の阪神淡路大震災では「がんばろう神戸」運動が起こりました。必死で立ち上がろうとしている人たちに、直接「がんばろう」という声をかけることははばかられますが、それでも何か役に立ちたい、何ができるだろうかとずいぶん悩みながら、神戸で取材を続けていました。

 私が学んだことは、被災した方々のお話を聞く、そして声をかけて差し上げる。「がんばろう」もそのひとつですが、悩みや悲しみや憤りを聞いて、そしてその人に寄り添った声をかけることが大事なことだということです。

 いま、私は自殺防止対策の責任者になっています。

 自殺防止のために、大切な人の悩みに気がついてあげよう、声をかけてあげよう、悩みを聞いてあげよう、ということに取り組んでいます。

 日本では、13年連続で3万人を越える人たちが、自ら生命を断っています。1日に90人です。自殺者がもっとも多くなるのが、毎年3月のことなんです。

 「悩みに気がついてあげましょう」と呼びかけています。
 「よく眠れますか?」「疲れてないですか?」と声をかけましょう、とお願いしています。

 その一言で、救われる人がたくさんいるんです。

 いま悩んでいる方、日本全国に相談員がいます。一人で悩んでいるより、まず相談してみてください。

 内閣府では、「共生社会」のホームページを作っています。ぜひ、ご覧になってください。
http://www8.cao.go.jp/souki/index.html

現代ビジネス「蓮舫レポート」より http://gendai.ismedia.jp/articles/-/2162

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