【北海道】「人の移動の他に物流という視点も必要」JR北海道の廃線問題で蓮舫代表

蓮舫代表は20日、前日に続いて北海道内を回り、苫小牧市では時局講演会に参加し、旭川市ではJR北海道の廃線問題についての意見交換を行った。

苫小牧市内での時局講演会

党北海道9区総支部(山岡達丸総支部長)が苫小牧市で開いた時局講演会に参加した蓮舫代表は、会場を埋めたおよそ500人の支持者、聴衆に向けて、「森友学園問題」「南スーダンPKO問題」「景気・雇用」などについて講演を行った。

森友学園の問題については、「国有地は皆さんの財産だ。それがなぜ10億円の土地が実質200万円で手にできたのか。なぜ一括での支払いが分割になったのか。なぜ認可が今までにない速さで下りたのか。いくつものなぜに対し、今の政権は全く答えていない」と批判した。

蓮舫代表

南スーダンPKOについては、「南スーダンへの自衛隊のPKO派遣は野田内閣の時に決定した。当初は人道的支援ということだったが、現政権になって駆けつけ警護の任務が付与された。しかし自衛隊員の救命医療体制が不備なので、私たちはその整備を行う法案を提出したが国会では議論さえされなかった。さらに日報の隠ぺい疑惑も発覚した」などと指摘し、これらの責任を取って稲田防衛大臣には潔く身を引いてほしいと述べた。

景気・雇用については、「アベノミクスで景気は良くなったのか」と問いかけたうえで、「安倍総理は有効求人倍率がよくなって雇用が改善された、アベノミクスはうまくいっていると言うが、果たして実体経済はどうなのか。株価が上がったぐらいでは国民の生活には届かない」と述べ、うわべの数字だけをもてはやす安倍総理の姿勢を批判した。

最後に、「選択できる政治があらためて必要だ。今の政権が間違った時に、選ぶ政党があること。選択できる政策、選択できる政党、そして選択できる未来があること。その選択を実行するのが皆さんだ」「私たちには失敗の経験も、成功に導く知見も、そして政権の経験もある。選択できる未来のために、私たち民進党に力を貸してほしい」と訴えた。

山岡達丸9区総支部長

蓮舫代表に先立ってあいさつに立った山岡総支部長は、「今この地域を歩かせていただいている。決して楽ではなく、厳しい状況にある。しかし、来る総選挙がいつになっても、必ず皆さんのお役にたてるよう頑張りたい。テレビなどを通して、『景気が良くなった、地域が良くなった』という声が届いてくるが、地域の中で暮らしが良くなったという声は聴いていない。身の回りの物価は上がっても賃金は変わらない。年金も減って生活は厳しくなっているというのが率直な声だ」と指摘した。JR北海道の廃線問題にも言及し、「これは北海道をめぐる本当に大きな課題となっている。この地域では日高線が止まって2年になる。声を上げてきたが道は一顧だにしてこなかった。さらに道として支援しない、国に支援を求めないという北海道知事の発言は残念だ」「外国人観光客は増えているが、空港から各地に向けて観光客が移動しようにも鉄路がつながっていないということは、北海道全体にとってどれだけ不利益なことか」と指摘した。

旭川市内でのJR北海道路線維持に向けた意見交換会

旭川市で開かれたJR北海道路線維持に向けた意見交換会に出席した蓮舫代表は、「JRの廃線問題については、ここにいる北海道選出の佐々木隆博衆院議員、小川勝也参院議員からいろいろと聞いている。昨日は北見から美幌まで石北本線に乗車させていただいた。今日は苫小牧から旭川まで列車で来させていただいた」と述べた上で、「学生たちの足はどうするのか。超高齢化していく中での人々の移動はどうするのか。物流という視点はどうするのか」などの課題を指摘。「単なる採算性の問題だけではない。ここは知恵を出さなければいけない。これしかできないではなく、ここまでできると地域が声を出してほしい」とあいさつした。

佐々木隆博衆院議員

北海道6区の佐々木衆院議員は、「民進党北海道連に路線対策本部を設置し取り組んでいる。衆参の国会議員の仲間も国会でこの問題を取り上げている」と紹介した。続けて佐々木議員は、北海道庁が設置したワーキングチームの報告の中で、内的要因と外的要因の2つの要因について言及し、「内的要因はJR北海道自身の経営努力についてだが、外的要因は路線のトンネルや橋梁など土木インフラのことだ。報告書ではJRの負担から分離する必要があると提言があった。この点についてもぜひご意見を頂きたい」「旭川は、函館本線の終着駅だが、同時に宗谷本線、石北本線、そして富良野線から根室本線につながる始発駅でもある。しっかりと取り組んでいきたい」などとあいさつした。

意見交換会では、上川地方総合開発期成会会長の西川将人旭川市長、宗谷地域総合開発期成会会長の工藤広稚内市長ら、関係自治体の首長らから、「私たち地域としても、利用者を増やしていく努力をする」「道が中心となって、北海道全体の方向性を示してもらいながら、沿線自治体などと連携しながら取り組んでいきたい」「空路、海路、鉄路、道路は北海道を発展させていくために必要なインフラだ。ネットワークとして考えていかなければ」「国、道、市町村、JR北海道が議論して、鉄路維持の形態『北海道方式』をつくる」などの意見の表明があった。

会の終わりに蓮舫代表は、「一つの道筋を付けなくてはいけないと思っている。これだけ多くの首長の思いが一つとなっているので、ぜひ北海道が主導していただきたい」「それをわれわれは野党だが、提言、提案と成果をしっかり求める形にしていく役割がある」と述べた。

西川将人旭川市長から意見を受ける

西川将人旭川市長から意見を受ける

本文、画像は民進党HPより転載

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