政府・与党の09年度補正予算案の中身が明らかになりました。1つ1つ、詳細を把握し、本当に必要な補正予算なのかどうかを審議していくことになるとは思いますが、中でも「子どもと家族応援手当」の提案には大きく首を傾げています。
政府は、08年度補正予算で「子育て応援特別手当」を実現しました。これは、第二子以降で3才から5才のお子さんがいる場合、1人につき月3,000円、年間36,000円が支給されるというもので、2才以下、6才以上は対象外、また第一子も対象外というもので、今年度限りの単年度措置です。何故、第二子以降なのか、何故、3才から5才なのか、しかも、手当がつくから安心して2人目の子どもを産みたいというインセンティブも働かない政策の必要性はどこにあるのかを、今年の予算委員会で少子化担当大臣に質問をしました。納得できる答弁は1つも返ってきませんでした。私は、この特別手当に651億円の財源をかけるのであれば、緊急時に安心して子どもを産む環境を整えるために周産期医療を充実させるべきではないか、という予算の組み替え提案もしましたが、これも明快な答弁はありませんでした。
今度は、「子どもと家族応援手当」です。これは小学校入学前の3年間、おそらく3才から5才の全てのお子さんに月々3,000円、年間で36,000円を支給するというもののようですが、同じ疑問が浮かびます。何故、3才から5才で2才以下と6才以上は対象外なのか、何故、単年度支給なのか、です。一体、どういう子育て支援効果を目指しているのかが全く見えません。
報道では『子ども手当』と短縮させた名称で報じられていますが、民主党が提案してきた『子ども手当』は、全てのお子さんが中学を卒業するまで毎月26,000円、年間312,000円を支給するというもので、子どもの育ちにあわせて各家庭でその使い方を工夫することができるようにという少子化政策です。1年限り、3才から5才だけのお子さんに、年間36,000円を支給するというバラまきのような政府案とは全く違います。