今日の夕方、時事通信社からのニュース配信を読みました。
「自民党の細田博之幹事長は6日の政府・与党連絡会議で、定額給付金について『景気対策なので、国会議員も辞退せずにもらって使うべきだ』と提唱。公明党の北側一雄幹事長も『堂々と使うべきだ』と同調した」
このニュースを見て思い出したのは、昨年12月15日に開かれた参議院の決算委員会での麻生総理の答弁です。総理は、高額所得者が定額給付金を受け取ることを『さもしい』と発言したことを我が党の神本美恵子委員に問われた時、「多額の年収がある人がもらわないのは人間の矜持の問題」と答えました。この後も、総理は何度か同じような発言を繰り返していたように記憶していますが、私の理解では、麻生総理は高額所得者が定額給付金を自発的に辞退することが望ましいとの見解を示したと思っていました。ところが、今日のニュースを見ると、自民党の幹事長自らが国会議員も定額給付金を受け取り消費すべきだと言われています。麻生総理の言われる『矜持』を持つ年収とは一体どれくらいなのでしょうか、と思わず首をひねりました。
今日、野党共同で2008年度第二次補正予算案に対する修正案を提出しました。
中身は、第二次補正予算案の定額給付金にかかる歳出とその財源としている特別会計からの繰入にかかる部分を削除したものです。
党の緊急雇用対策本部の会議が行われ、東京の日比谷公園で派遣村を開設している実行委員会の方々から派遣村の現状について、あわせて、派遣切りをされた方からご自身の経験と、今思われることについて話を伺いました。
労働組合の相談窓口に寄せられた電話では、派遣切りをされたために寮を追い出され、仕事がないため収入が途絶え所持金がなくなり、電車賃がなく移動も出来ず、再就職活動も出来ないとの相談が相次いでいると聞きました。中には所持金が9円になって初めて相談してこられた方もいらっしゃったと言います。
実行委員の方が言われました。
「派遣村に来られている人は一部です。お金がなくて移動できない方も多くおられます。寮を出され寒空の元で亡くなっている方もおられるのではないでしょうか」
派遣切りをされ、派遣村でボランティアで働いている方が言われました。
「寄る所がなくて派遣村に来た人が多い。ボランティアが対応をするのはおかしい。寄る所を国が何とかしてほしい」
「生活保護を恥ずかしいとは思わない。ある制度を活用してまた、働きたい」
今、起きている企業による派遣切りは、働いていた方々がある日突然に住む場所と、それまでの仕事と、人によっては家族を失うことになっています。それは人としての生きる誇りを削いでいることにつながっています。派遣村は今日で終わり、集っていた方々は都内の公共施設に分散されることになりますが、一時的に住む場所を確保するだけでは問題は解決しません。家と仕事、生活を取り戻すために国が中長期的支援策を講じるべきだと思います。
昨年私たちは、派遣や有期労働者で雇用保険の対象外の方にも緊急的に被保険者として対応し失業手当を支給するべきだという法案等を提出しました。衆議院において与党の反対のためこの雇用関連4法案は成立しませんでしたが、今、家も所持金もないものの仕事をしたいとの思いを持っている方々が再出発をするために、失業手当給付の必要性と、手当が支給されるまでの期間に住宅を維持するための融資を積極的に行うこと、そして、同じような問題が再燃しないためにも派遣労働等のあり方を緊急に見直すことが求められています。