今日、自民党と公明党の幹事長、政調会長らが会談を行い、来年4月に3分の1から2分の1に引き上げられる基礎年金の国庫負担分の財源に「財政投融資特別会計」の金利変動準備金、いわゆる埋蔵金を充てることが確認されたと報道されました。
なんて、場当たり的な政策を行うのかと、思わず耳を疑いました。
100年安心とのキャッチコピーで年金法が改正されたのは2004年でした。少子高齢化が進む中、現行の給付水準を維持するために年金保険料を段階的に引き上げる内容の法改正でしたが、あわせて、3分の1だった国庫負担額を2009年度までに2分の1まで引き上げることも決められました。厚生労働省が作成した「平成16年度年金制度改正の概要」という説明用紙には次のように書かれています。
【基礎年金国庫負担割合の2分の1への引上げ】
尓ス成16年度から着手し、平成21年度までに完了する。
・16年度以降:年金課税の見直しによる増収分を充当(平年度1,600億円程度、平成16年度272億円)
・17年度及び18年度:我が国の経済社会の動向を踏まえつつ、所要の税制上の措置を講じた上で、国庫負担割合を適切な水準へ引上げ
・19年度を目途:政府の経済財政運営の方針との整合性を確保しつつ、社会保障に関する制度全般の改革の動向その他の事情を勘案し、所要の安定した財源を確保する税制の抜本的な改革を行った上で、21年度までに完全に引上げ
つまり、国庫負担分の引き上げは、平成19年度を目途に税制改革を行って安定財源を確保し、平成21年には引き上げを終える、ということです。年金改革法にも国庫負担引き上げについては、「所要の安定財源を確保する税制の抜本改革を行った上で」と明記されています。元々、消費税を財源に充てることが想定されていたものが、麻生総理が消費税増税は3年後以降と明言したことから財源確保の道が暗礁に乗り上げていました。その結果が、埋蔵金の活用です。
埋蔵金は安定財源ではなく、2年目以降はどうするのかという道筋すら見えません。
年金、道路、定額給付金などなど、麻生総理の発言で政策が大きく歪んでいます。
そのツケは国民が負うという現実を総理はご存知なのでしょうか。