155日間の通常国会が今日閉会しました。
衆議院と参議院での第一党が違うことから、「ねじれ国会」と後ろ向きな表現で報道されることの多い国会でしたが、ねじれの結果、実りが大きかったと実感するのは「情報開示」が少し前進したことと、それによってこれまで隠されていた事実が明らかになりつつあることです。
ガソリン1リットルにつき25円の暫定税率がかけられていること。当初は5ヵ年の道路整備計画のために「暫定的」にかけられた税率が、34年間続けられていること。道路特定財源から、道路整備以外のミュージカルやタクシー代、慰安旅行などに税金が使われていたこと。天下り団体と道路特定財源の癒着の実態など、これまで表に出されなかった「事実」が、私たちの仲間の議員の追及や党の調査によって続々と明らかになり、国民の皆様が「知る」こととなりました。
極めて遺憾なのは、福田総理はこうした問題を解決する事なく、今後10年間で59兆円もの暫定税率による財源を道路に注ぐ法案を通したことでした。その一方で、道路特定財源は来年度から一般財源化すると言われていますが、自民党内が総理の指示でまとまってはいるとは見えません。
こうした「先送り」の姿勢が、せっかく明らかになった許しがたいお金の使い方を正すことにつながらないという一点だけでも、私は福田総理の問責決議に値すると考えています。
昭和22年に定められた『財政法』では、特定の事業を行う場合、特定の資金を保有してその運用を行う場合、その他特定の歳入をもって特定の歳出に充て、一般の歳入歳出と区分して整理する必要がある場合に「特別会計」を設置するものとされていて、現在、道路特定財源や労働保健特別会計など21の特別会計があり、その歳出総額は約370兆円となっています。
この特別会計には多くの無駄があり、天下り団体と省庁の不適切な関係が生じているとして私たちは調査を進めてきています。実は、政府もこの特別会計を全面的に認めているわけではなく、国として行う必要性や特定財源の弊害の有無などの点検や見直しを平成15年から始めていますが、各省庁の抵抗が強いことなどもあり、作業は遅々として進んでいないように思えます。その意味でも、この国会で明らかになった道路特定財源の無駄遣いや問題は、政府の行革の方針にも合致していることから、福田総理は「先送り」をするのではなく、与野党で一般財源化を行うべきだったのではないかと思います。
今日で通常国会は閉会をしますが、次期臨時国会に向け、しばらく独自に調査を続ける日々を送りたいと思っています。