蓮舫代表は9日、「FOR NEXT」キャンペーンの一環として富山市を訪れ、デイサービス施設「このゆびとーまれ」を視察した。
この施設は、1993年に当時看護師をしていた惣万佳代子氏、西村和美氏ら3人が、高齢者、子ども、障害者がひとつ屋根の下で目配りの利いた福祉サービスを行いたいという思いで開設したという。
従来の縦割り制度に基づいたサービスではなかったため、当初、行政からの助成は受けられなかったが、年齢や障害の有無に関わらず一緒にケアする活動が注目を集め、県は2003年に「構造改革特区」制度を活用し「富山型デイサービス推進特区」を創設、「このゆびとーまれ」は助成を受けられことになった。
「いつでも、誰でも受け入れ可能」「家族のように過ごせる第2のわが家」「近所の家に遊びに行く感覚」、小規模・多機能・地域密着を特徴とするこのサービスは「富山型デイサービス」と呼ばれ、特区での事業効果が評価され2006年から全国で実施可能となっている。
蓮舫代表は、民家を改修した小規模な建物で、ひとつ屋根の下、高齢者や子ども、障害の有無に関わらず一緒に過ごしてる様子を視察。デイサービスの利用者たちと親睦を深めた。
惣万氏、西村氏、職員の山口氏らとの懇談では、(1)職員確保のため、介護離職ゼロの前に介護職員の離職ゼロと、潜在看護師の活用に向けた対策が必要(2)国会などで、現場で働く介護福祉士の意見をくみ取れる仕組みを作って欲しい(3)国全体として税金に対する考え方を変えていく必要がある――といった意見が出された。
蓮舫代表は、「介護や福祉は家庭内で妻や娘がやることという意識がまだある。一つの職業とみなす意識が必要だ」とする考えを示した。惣万氏が自分たちの活動を「ハード(建物)からハート(心)へ」と説明したことに対しては、民進党が掲げる「人への投資」の考え方と共通していると述べた。
視察後、記者団の取材に応じた蓮舫代表は、「富山型の原点が『このゆびとーまれ』。ずっと来たいと思い、今日来れて本当に良かった。」「今の政権は介護離職ゼロと言いながら介護報酬の引き下げを行う。こうした現場を見て、特に若い人たちが働きたいと思える場所を提供し頑張る人たちがいるので、私たちも安倍総理の間違った方向性を国会等で質していきたい」と語った。
また、富山型デイサービスを全国に広めるために必要なことは何かと聞かれ、「一番大きなハードルは、自治体・行政の理解。その理解が広まらないと縦割りは乗り越えられない。私たちも発信をしていきたい」と述べた。
視察には、党富山県連幹事長の寺崎孝洋・魚津市議が同席した。
視察後は9日告示・16日投票の富山市議会議員選挙に立候補している橋本雅雄(はしもと・まさお)候補の応援集会に参加し、当選に向けて一致団結して後押ししてほしいと集会参加者に支持を訴えた。
本文、画像は民進党HPより転載