1952年以来56年ぶりに行われた、と聞きました。
政府・与党は今日、参議院で審議中のガソリン暫定税率などを復活させる税制改正関連法案が、衆議院から送付されて60日たっても議決されていないことから、この法案は否決されたとみなし、衆議院の3分の2の賛成を得て「再議決」しました。
これによって、ガソリン税率は明日にでも引き上げられることが決まりました。
憲法59条には「参議院が、衆議院の可決した法律案を受け取った後、国会休会中の期間を除いて60日以内に、議決しないときは、衆議院は、参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる」とあり、「衆議院で出席議員の3分の2以上の多数で再び可決したときは、法律となる」と規定されています。憲法の条文にある以上、政府・与党の決定は否定されるべきものではありませんが、果たして、国民の納得が得られるのでしょうか。
34年間続いてきたガソリンの暫定税率は、本来、今年の3月に失効するものでした。政府・与党が、それを失効させずに今後10年「継続する」ことを前提に、来年度予算案を編成してきたことがそもそもの問題でした。こういう問題のある予算を提出しておきながら、法律が失効して暫定税率がなくなり、2兆6,000億円の歳入不足に陥ったのは野党の責任と批判することは、極めて筋違いな主張だとも思います。
参議院の法案審議では、次々と国土交通省の呆れた税金の使われ方が明らかになり、正すべき問題が明確になってきていたところです。福田総理も道路特定財源の問題を重くみたからこそ、来年度からの一般財源化を公約されたと思われますが、与党は首相の公約を守るための法案修正を行うことなく、暫定税率、特別会計を改めることなく、参議院の審議如何にかかわらず衆議院の再可決を行うというのです。
これまで明らかになってきた国交省の無駄遣いを改めず、今後10年間59兆円もの税金を道路に注ぐことを是とすることや、山口2区補欠選挙の結果を国民判断ではないとする政府・与党のこうした姿勢に、私は全く納得ができません。
暫定税率を復活させることが世論だとするのであれば、今すぐにでも解散し、民意を問うべきではないでしょうか。