育休切り

今日開かれた参議院の厚生労働委員会で、民主党の小林正夫議員が、育児休業を取得したことで雇用を打ち切られる、あるいは退職を選ばざるを得ない職場環境に置かれたなど、いわゆる「育休切り」の問題を取り上げました。
「妊娠・出産等を理由とした解雇等不利益取扱い」に関する労働者からの相談件数は、平成16年度に875件だったものが、平成20年度(平成21年2月末まで)には1,806件になり、「育児休業に係る不利益取扱い」についての労働者からの相談件数も平成16年度に521件だったものが、平成20年度に1,107件に増加しています。仕事も子育ても頑張りたいという女性、また、両立しなければ生活できない環境に置かれている方にとって、政治が両立支援を積極的に行うことは急務だと思われますが、残念ながら、実際には「育休切り」などの相談が増えています。
急速に悪化する経済情勢の中、人件費を圧縮せざるを得ない企業が存在することは否定できませんが、妊娠、出産、育休を原因にリストラが横行することは看過できません。
そもそも、育児・介護休業法は、育児や介護を行う労働者の仕事と家庭との両立をより一層推進することで、わが国の経済・社会の発展に資することを目的としているもので、従業員が育児休業や介護休暇を申し出たり、取得したことを理由として、労働者に対し解雇や労働契約の変更の強要、降格など不利益な取扱いをすることを禁止しています。育休切りは法律違反であり、厚生労働大臣から事業主に対して指導、是正措置などの勧告が行われることにもなりますが、罰則規定はありません。
小林議員から、この問題の指摘を受けた舛添大臣は「基本的には、労働基準法で罰則規定も含め対応したいが、現状にあわせて何ができるのか検討する」と答弁をされました。現行では、納得できない扱いを受けた労働者は、各都道府県にある労働局雇用均等室に相談し、労働局が相談に応じて事業主などから事情を聞き、指導などの対応をとることになっていますが、実際に妊娠、育児を行っていながら仕事を失った女性が労働局に頻繁に相談できるかどうかには疑問符がつきます。
育休切りは法律違反だということを、もっと多くの方々に知ってもらう努力を行うこと、被害にあった時に労働局に相談するハードルを何とか低くする、行政指導を徹底することで被害を最小限に食い止めることなどが迅速に求められると同時に、現実の問題に対応するための法改正を検討するべきだと思っています。

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