平成19年度の決算において、不適正な会計処理や無駄遣いが951件あり、1,253億円にものぼることが会計検査院の調査で判明しました。
財務省では、税務署の職員が国税の各種事務を処理するシステムの端末機を不正に使用し、虚偽の還付金の支払決議書等を作成し、還付金を自分の預金口座に振り込ませていた事案が4件あり、合計3億4,311万円が領得されていました。農林水産省には、地方公共団体への補助事業で実は補助の対象ではないものを不適正な経理の処理で対象にしていたり、適切ではない事業への不正な貸付を行うなどして4億1,062万円が国庫補助金から不当に支給されていました。経済産業省には、調査委託契約において、委託業務に従事していない者の人件費を含めて算定していたため、9,168万円もの委託費が過大に支払われていました。
また、国から交付された地方自治体への事務費などの補助金のうち、1億7,282万円が12道府県で不適正な経理処理がされていたことも判明しました。中には、業者と架空取引をするなどし、契約された物品が納入されていないにもかかわらず、納入したという虚偽の書類を作成することで補助金をプールする『預け』と呼ばれる事案や、予算を使い切るために、物品が翌年度以降に納入したものを年度内に納入と装う『翌年度納入』の事案、他にも、業者に虚偽の請求書を出させて、実際には別の物品を購入した『差し替え』という事案など、組織が直接関与をして不適正な経理処理を行っていた信じられない実態も明らかになっています。
補助金の不正な使用を防止する「補助金適正化法」では、各省庁の長は補助金の不正な使用が判明した場合には、期限を定めて返還を命じなければならないと定めています。ところが、党の決算行政監視調査会で財務省から話を聞くと、財務省は各省庁に予算の適正な執行の要請は行っているものの、不正経理等が発覚した場合に、返還命令が下っているか、実際に返還されたかどうかは把握していないと言われました。
国の予算は財務省主計局が厳しく査定を行い積み上げます。しかし、決算は財務省が取りまとめを行い国会に報告をするものの、不正経理などの返還金が実際に戻っているかどうかの調査を独自には行っていないというのでしょうか。
不適正な会計処理で過大支給された補助金や、無駄遣いされた事業への補助金の財源は税金です。毎年同じような不正経理の問題が繰り返されないためにも、無駄に使用されたお金は返還をさせ、再発防止策を講じるべきだと思います。この問題は引き続き党の調査会で追いかけていく予定です。