宙に浮いた5,000万件の年金記録問題の解決が遅々として進まないなか、実は給料額が勝手に引き下げられ、納めた厚生年金保険料額が実際よりも安く改ざんされている事例が次々と発覚するという新たな年金問題が発生しています。
社員への給与額を実際より安く支給したことにすれば、厚生年金保険料が引き下げられ、事業主負担分が安くなり納めやすくなります。また社会保険庁にとっては、保険料が低くなったとしても、納めてくれさえすれば収納率は変わりません。事業主と社保庁、両者にとって都合がいい給与額の改ざんが行われ、その事実を知らされていなかった社員が総務省の年金記録確認第三者委員会に相談したところ、給与額の改ざんは「社会保険庁において事実と反する処理が行われた」と第三者委員会が認め、正しい給与額に訂正された事例がすでに48事例あります。
党の厚生労働部門会議でも早い段階からこの問題を調査していましたが、私が予算委員会で舛添厚生労働大臣と福田総理にこの問題を質したのが今年の2月でした。その時に大臣は、「調査を加速化し、公表したいと思います」と答弁されました。
第三者委員会で最初に給与額改ざん事例が訂正されたのが、昨年8月でした。その後、社保庁が調査に着手したのが今年1月です。2月に調査経過を質問し、大臣が調査の加速化を明言したにもかかわらず、調査の中間報告が行われたのが4月。その後は私達が何度も調査結果の公表要請を行いましたが、まだ『調査中』との一点張りで公表が引き延ばされてきました。そして、最初の事案が訂正、正しい記録にあっせんされてから1年以上がたつのですが、ようやく明日にでも社保庁が調査結果を政府の閣僚会議に報告するとの情報が入ってきました。これだけ時間がかけられた調査だけに、社保庁の関与があったのかどうか、組織ぐるみの事務処理だったのかどうかも含め詳細な報告がなされるものと思われます。
明日は朝から夕方まで、年金と後期高齢者医療制度に関して厚生労働省と質疑応答、党の部門会議を開く予定です。