2005年10月のつぶやき

2005年10月24日(月)
外交不在
今月18日から中国の国家旅遊局長が視察団を率いて台湾を訪れることになり、台湾が中国からの観光客の受け入れを解禁することになりそうです。
安全保障等の観点からこれまで中国人観光客の受け入れを限定していた台湾の対中姿勢が大きく転換することになります。
年々深まる中台間の経済交流に加え、今後は人的交流も活発化していくことになりそうです。これで、中台間の人、モノ、金の流れは相互的なものになり、残るは1国2制度をどうしていくのか、という政治的課題になりました。統一か、独立か、第三の道か。もちろん。台湾の将来は台湾人が決める事です。台湾は中国の領土と主張している中国が力で統一すべきではありません。台湾海峡有事を回避すべく日本の果たしていく役割、そしてアジアの安定的発展のために日本が負うべき役割は極めて大きいものがありますが、公約だ、と靖国神社を参拝している小泉首相からは、アジアの将来的ビジョン、日本の中長期的外交姿勢が全く見えてきません。その場限りの外交が行われている間にもアジア諸国の関係は動いています。来年の秋に総理を辞めるから、というのは外交不在の言い訳には全くなりません。
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2005年10月21日(金)
特別国会も終盤
今週は本当に慌ただしく時間が過ぎ去っています。衆議院から送られてきた参議院審議が本格的となり、総務委員会ではNHKの平成13、14、15年度の決算審議(どうして決算が終わらずに新年度予算が組めるのかはなはだ疑問ですが)に、郵便法の一部改正、国家公務員の給与と退職金改正、電波法と放送法の改正の法案審議が矢継ぎ早に行われているところです。これまで所属をしていた厚生労働委員会とは全く違うテーマに取り組みだしたこともあり、戸惑いながらも国家公務員給与法改正案に取り組んでいます。この法案では来週に委員会で質問をする予定ですが、官民格差についていくつもの問題点が浮かび上がっています。報告はまた詳細にさせていただきます。
他方で、政調副会長と副幹事長の一人として会議に出席し、それぞれ会議後に行われる政調会長と幹事長の会見で司会を努めています。
これまでと違い、党として提出する全ての法案、課題などを全体像で眺めることができるようになり非常に勉強になりますが、いくつものことを同時に吸収しなければならなくなり、バタバタと頑張っているところでもあります。
いよいよ特別国会も来週いっぱいとなりました。ここにきて、官邸からの指示で自民党が国会議員年金廃止の方向にようやく転換してきたようですが、その発表の翌日から連立を組む公明党やお膝元の自民党からも異論反論が相次いでいます、なかでも自民党のベテラン代議士は「議員年金が廃止されれば、老後に備えてビジネスに励む議員の姿は目に浮かぶ」といった発言をしました。
恵まれた議員年金廃止、との与党案とは全く違う発言で、呆れます。
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2005年10月17日(月)
林間学校
先週、二泊三日で子ども達が学校の林間学校に出掛けていました。漁師や農家の方々と触れ合い、農漁村の生活を見て、わからないことを聞いて、自分でも体験するプログラムが組まれています。
林間学校から戻った子ども達はそれぞれに学んだ事を、争うように私に報告をします。
「あのね。カニはなんで泡をふいているかわかる?自分で出した泡から酸素を吸って、水の中と同じように呼吸しているんだよ」
「あのね。イワシは群れになって泳ぐんだけど、絶対にぶつからないんだって」
カニが泡をふく理由も、イワシがぶつからないで泳ぐのかどうかの疑問も私には全く浮かんでこない話題です。子どもの視点に感心。
帰ってきた夜は、子ども達が収穫した落花生をゆでて食べました。
「落花生はね、芽が出てつるが伸びた後にね、そのつるが地面にたれて刺さって、地面の中で実が出来るんだよ。だから落ちる花が生まれるっていうんだ」
そうなんだぁ、と膝を打つ私でありました。
そして、この豊かな感受性を一段と育てたいと思いを新たにした夜でした。
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2005年10月14日(金)
名前ばかりの「自立支援」
唖然としています。
今日の10時から行われた参議院本会議で、障害者自立支援法が与党多数の賛成によって可決、成立されました。
法案の名前こそ「自立支援」となっていますが、中味は支援どころか自立を阻害するものです。来年春からは、障害を持つ者が受けている福祉サービスはこれまでの応能負担からサービス量に応じた負担になります。負担軽減措置はあるものの、障害者の収入を本人ではなく家族、世帯の収入で計算することから、多くの方の負担は増えます。障害者の家族依存を強めてしまうこと。収入の大前提となる就職支援については担保されていないこと。また、障害者にとって医療は生命に関わりますが、限られた疾病以外の方々に新たな医療費負担が求められることになりました。医療費負担においては逆進性が極めて高く、所得の低い方にとっては負担増になること。お金のある方はいいサービス、いい医療を受けられますが、そうでない方々はサービスが制限され、治療も受けられなくなる恐れがあります。
事故、病気等によって誰もが障害者になる可能性は否定できません。自分が、子どもが障害を持った時に、自己責任でサービス、医療を受けるように、というのが今回成立した法律です。
福祉の政党といわれている公明党がこの法案に賛成したことにも驚きですが、参議院本会議で反対討論をした民主党の家西議員の演説中に野次を飛ばした自民党議員の良識を疑っています。この方達には人の痛みがわからない、と。
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2005年10月12日(水)
法案審議が始まりました
今日から参議院で政府提出の郵政民営化法案の議論が始まりました。他の法案も含めていよいよ本格的な議論、審議が各委員会で始まっています。
私は、今国会から総務委員会に所属をし、国家公務員の在り方を検討。まずは国家公務員の給与を民間並みに引き下げるべきではないかとのテーマに取り組んでいます。他方、党務では副幹事長と政策調査会副会長となり、一層、バタバタとした日々を送っています。
今日は朝に総務委員会の部門会議、そして午後からは正副幹事長会議、続いて「次の内閣」において今国会に提出する予定の民主党案、考え方を議論をしていました。イラクに派遣されている自衛隊の問題、テロ特措法の問題やアメリカ牛肉などの外交テーマや、障害者自律支援法への民主党の対案、国会議員の年金制度廃止法案など、山積する国内問題への対応が協議されましたが、今国会の会期末は11月1日。しかも衆議院では与党が3分の2の勢力となっていますので、どの法案も十分な議論を展開するには時間が決定的に足りないというのが現状です。とはいえ、数が少ないとか、審議時間が少ないからといって法案審議を投げ出すことは出来ません。厚生労働委員会から一旦卒業しましたが、虐待や保育所の待機児童などなど、子どもの問題も継続的に学んで提案をしていきます。どうぞ、温かいご支援をお願いします。
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2005年10月11日(火)
OECD
先週、OECDの会議でパリとストラスブールに行ってきました。
欧州には、通貨統合を基軸とした加盟国間での経済活動を行うEUと、人権や民主主義や文化など紛争以外のテーマに取り組む欧州評議会、そして加盟国の経済成長や開発途上国に対する施策などを目的とする国際機関のOECDがあります。今回は日本国参議院を代表して自民党と公明党の議員と民主党からは私が選出され会議に派遣され、OECDの活動拡大討議において決議案の修正を行ってきました。
ドイツ国境にある街ストラスブールは、グーデンブルグが生まれた地。街の中心を運河が流れ、古い石畳の街並が数百年も守られる美しい場所です。ここに欧州を中心とした各国から議員が集い、子どもや女性の権利、環境や福祉など様々なテーマを議論するのです。
日本から見ますと、欧州はどこか遠い地域のようにとらわれがちですが、今回の会議では、欧州が経済活動のみならず教育や文化向上といった多岐に渡る分野においても地域の活性化を目指すために細やかな活動をしていることを経験してきました。その活動は、まだまだ地域の結束が難しいアジアと比べてはるかに進んだものであることも痛感してきました。
ところで、あるレセプションでカナダのケベック州出身の議員と話していて言われたのは
「我が国では郵政はもちろん国有だよ」
日本における政治の場で最大のテーマが郵政民営化と知った上での彼の感想でしたが、そのあとは、どうして郵政民営化が最大のテーマなのか、他に問題がないのか、との質問攻めにあいました。彼の主張と私たち民主党との意見はほとんど同じでしたが、総選挙で敗北をした立場であるがために、答えに窮した場面も少なからずありました。
その郵政民営化政府法案は、今週、衆参本会議を通過して成立する運びです。
与党が主張した総選挙の最大にして唯一のテーマ、郵政が決着したあと、与党は何を政治目的にしていくのでしょうか。有権者が郵政以外の政策を与党に白紙委任したわけではありません。数が少なくなったといっても、私たちは野党として与党の動きをチェックしていく大切な役目があると考えています。
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