馬総統就任

昨日、台湾で馬英九氏が総統に就任をされました。
独立はしない、統一もしない、武力行使をしない。馬総統は選挙公約である「3つの基本原則」を掲げ、台中関係においては「経済」協調、協力を全面に押し出していくことを演説で話されました。それは、台湾の多くの方々が望む「現状維持」を続け、経済発展を遂げていこうというものです。ただし、台湾の国会で4分の3の勢力となった国民党の議員団の中には、「中国との統一」を強く掲げる長老や先輩議員も多くいることから、党内調和をどのように図っていくのかも、経済中心主義と同時に馬総統の手腕が問われていくと思います。

日本の委員会等、公務の関係で総統就任式などには残念ながら参加できなかったのですが、短い滞在で台湾に行き、国民党幹部や民進党幹部、政府関係者とお会いする機会をいただきました。
下野をされた民進党関係者の方々の意見や悔しい思い、今後の中国との関係への不安などを耳にしていて、思い出したのは8年前に民進党の陳水扁総統が誕生した時のことでした。2000年に台湾で初めて政権交代が行われ、国民党は下野しました。当時の国民党の方々からも、野党になった現実をどうやって受け止めていいのかわからないとまどいを聞いたことがあります。
台湾で政権交代が行われた2回とも、両党の関係者に話を聞かせていただいたのは貴重な機会でしたが、期待した政党を選ぶことができる、失政を行った政党を変えることができる、2大政党のどちらが政権与党にふさわしいのかを選択できる、主権は人民にあるという台湾モデルを一日も早く日本でも実現したいと改めて思ったところです。

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